『食前の祈り』(ジャン・シメオン・シャルダン作)

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    18世紀フランスの市民生活を描き出したシャルダン。彼の『食前の祈り』( Le Bénédicité )をご紹介します。

    『食前の祈り』 1740年 ジャン・シメオン・シャルダン
    『食前の祈り』( Le Bénédicité ) 1740年 ジャン・シメオン・シャルダン ルーヴル美術館蔵

    展示室変更、貸し出し・修復中などで展示されていない場合もあります。美術館のサイトをご確認ください。

    目次

    『食前の祈り』( Le Bénédicité ) 1740年 ジャン・シメオン・シャルダン

    シュリー翼921展示室Le Bénédicité , INV 3202 ; MR 1325

    『食前の祈り』 1740年 ジャン・シメオン・シャルダン
    『食前の祈り』 49.5 cm × 38.5 cm 1740年 ジャン・シメオン・シャルダン

    引用元:『食前の祈り』

    お母さんに言われたように、手を合わせる子ども。

    平和な日常の一場面ですね。

    本作は 1740年のサロンで『働き者の母』(『仕事に勤しむ母』とも)とともに出品されました。

    『働き者の母』 1740年 ジャン・シメオン・シャルダン
    『働き者の母』 49 cm × 39 cm 1740年 ジャン・シメオン・シャルダン

    引用元:『働き者の母』

    シュリー翼921展示室La Mère laborieuse., INV 3201 ; MR 1324

    ルーヴル美術館の『働き者の母』の解説欄に、「1740年11月27日、ヴェルサイユ宮殿にてシャルダンからルイ15世に贈呈され、以来国立コレクションに所蔵されている。」(Google翻訳)とあります。

    『ルーヴルガイド』によると、ルーヴル美術館が所有するシャルダンの作品は 30点を超え、その大部分は「ルイ・ラカーズ博士の1869年の遺贈に由来する」そうです。

    ルーヴル美術館では2枚の『食前の祈り』を所有していますが、MI 1031の解説欄には、

    INV 3202 のレプリカ。ルイ・ラ・カーズ博士の遺贈、1869 年。」(Réplique de INV 3202. Legs du Dr Louis La Caze, 1869.)(Google翻訳)とありました。

    しかし、本作(INV 3202)は国王ルイ15世が買い上げました。

    同じ主題で繰り返し描かれていることからも、この母娘の絵が非常に人気があったことが窺えます。

    『食前の祈り』 1740年 ジャン・シメオン・シャルダン
    『食前の祈り』 ジャン・シメオン・シャルダン

    引用元:『食前の祈り』

    お姉ちゃんの表情が好きなので、こちらも拡大してみました。

    『食前の祈り』 1740年 ジャン・シメオン・シャルダン
    『食前の祈り』 ジャン・シメオン・シャルダン

    引用元:『食前の祈り』

    『食前の祈り』 1740年 ジャン・シメオン・シャルダン
    『食前の祈り』 ジャン・シメオン・シャルダン

    引用元:『食前の祈り』

    末娘が食前に聖なる言葉を口に出せるか、母親が優しく厳粛に確認している。毎日の平凡な事実から引き出した場面である。オランダ風俗画場面との類似性は明白で、シャルダンは、絵の具の繊細な演色、軽やかな筆遣い、光の完璧な抑制で、主題の独自な解釈を与えている。

    『ルーヴルガイド』. 2007.

    こちらにも1頁分『食前の祈り』に使われています

    『食前の祈り』『働き者の母』は シュリー翼921展示室で鑑賞できます

    ロココの画家ブーシェとシャルダンの絵画を堪能

    下の絵もルーヴル美術館の所蔵で、現在ランス別館にて展示中。過去に数回来日しています。

    『食前の祈り』( Le Bénédicité ) 1725年 – 1750年 ジャン・シメオン・シャルダン

    2026年1月現在ランス別館に展示Le Bénédicité , MI 1031

    『食前の祈り』 1740年 ジャン・シメオン・シャルダン
    『食前の祈り』 49.5 cm × 41 cm 1725年 – 1750年 ジャン・シメオン・シャルダン

    引用元:『食前の祈り』

    『食前の祈り』は、他に、エルミタージュ美術館、ボイマンス・ヴァン・ベーニンゲン美術館、ストックホルム国立美術館にあります。

    『食前の祈り』

    『食前の祈り』( Saying Grace (Le Beneoicite) ) 1744年 エルミタージュ美術館蔵

    『食前の祈り』( Saying Grace (Le Beneoicite) ) 1744年 ジャン・シメオン・シャルダン エルミタージュ美術館蔵
    『食前の祈り』( Saying Grace (Le Beneoicite) ) 49.5 cm × 38.4 cm 1744年 ジャン・シメオン・シャルダン エルミタージュ美術館蔵

    引用元:『食前の祈り』

    エルミタージュ美術館Saying Grace (Le Beneoicite)

    エルミタージュ美術館に詳しい解説がありましたので、ご紹介します。(実際には英語版です)

    シャルダンは、18世紀フランス美術に家族、母性、家事というテーマを初めて導入した画家です。『祈りの祈り』の主人公たちは、シャルダンが最もよく知っていた職人や小商人の階級である第三身分に属しています。物語の中心はテーブルで、若い母親がスープを盛り付け、二人の娘に昼食のお祈りの言葉を復唱させようとしています。細心の注意を払って描かれたこの絵は、シャルダンが理想とする、結束の強い家族、互いを思いやる家族の姿を描き出そうとしています。シャルダンは末娘の温かく感動的なイメージを描き出し、まだお祈りの言葉の意味を完全に理解していない子供の気持ちを捉えています。この作品は、シャルダンが描いた子供の肖像画の中でも屈指の傑作となっています。画家は自身の理想を体現する正確な構図を探し求めるのに何年も費やし、祈りを唱えるというテーマの絵画はパリとストックホルムの両方に存在するが、エルミタージュ美術館のキャンバスにのみ署名と日付が記されており、画家がもっとも重視していたのはこの作品であったことがうかがえる。(Google翻訳)

    お祈りしているのは女の子? 男の子?

    解説中に「二人の娘」とありますが、『フランス絵画の「近代」 シャルダンからマネまで』(講談社選書メチエ)では「姉娘と弟」となっています。

    その根拠は、手を合わせる子どもの近くにある「小道具」です。

    『食前の祈り』 1740年 ジャン・シメオン・シャルダン
    『食前の祈り』 ジャン・シメオン・シャルダン

    ドレス=女の子、と思ってしまいがちですが、子どもが座る椅子には太鼓が掛かっています。

    床に落ちているのは「ばち」。

    姉と似た形の服を着せられている弟が女の子ではないことを示しているのは、椅子にぶら下げられた太鼓と床に転がるばちである。太鼓は軍隊で用いられることからの連想か、伝統的に男の子のアトリビュート(その人物が誰であるかを示すために一緒に描かれる品物)であった。

    鈴木杜幾子(著). 『フランス絵画の「近代」 シャルダンからマネまで』.1995-12-10. 講談社選書メチエ. pp.14-15.

    この頃は男の子も女の子と同じ服装をしていました。(どんな格好でも、可愛いものは可愛い)

    『食前の祈り』( Le bénédicté ) 1761年 ボイマンス・ヴァン・ベーニンゲン美術館蔵

    『食前の祈り』( Le bénédicté ) 1761年 ジャン・シメオン・シャルダン ボイマンス・ヴァン・ベーニンゲン美術館蔵
    『食前の祈り』( Le bénédicté ) 66.5 cm × 50.5 cm 1761年 ジャン・シメオン・シャルダン ボイマンス・ヴァン・ベーニンゲン美術館蔵

    引用元:『食前の祈り』 CC-BY-SA-4.0

    ボイマンス・ヴァン・ベーニンゲン美術館Le bénédicté

    『食前の祈り』( Bordsbönen ) スウェーデン国立美術館蔵

    『食前の祈り』( Bordsbönen ) 49 cm × 39 cm ジャン・シメオン・シャルダン スウェーデン国立美術館蔵
    『食前の祈り』( Bordsbönen ) 49 cm × 39 cm ジャン・シメオン・シャルダン スウェーデン国立美術館蔵

    引用元:『食前の祈り』

    スウェーデン国立美術館Bordsbönen

    スウェーデン国立美術館の解説に、「1866年に王立博物館(1749年テッシン=フリードリヒ1世)から引き継がれた。」(Google翻訳)との記述がありました。

    テッシンとは、スウェーデンの貴族で政治家だった、カール・グスタフ・テッシン伯爵( Carl Gustaf Tessin, 1695年 – 1770年)と思われます。

    1739年から1742年までルイ15世の宮廷に滞在し、多くの美術品を購入しました。

    このテッシン伯爵のコレクションが、スウェーデン国立美術館の基礎を築いたと言われます。

    『食前の祈り』は、上に挙げた以外にも「18世紀から19世紀にかけてオークションで売買された作品があるが、それらは消失したか、現在は消息不明である」とのことです。(参考:Wikipedia

    あわせて読みたい

    ジャン・シメオン・シャルダン自画像 1771年 ルーヴル美術館蔵

    ジャン・シメオン・シャルダン自画像 1771年 ルーヴル美術館蔵
    ジャン・シメオン・シャルダン自画像 1771年 ルーヴル美術館蔵

    引用元:ジャン・シメオン・シャルダン

    グラフィックアーツ部門( Département des Arts graphiques )

    lAutoportrait aux besicles., INV 25206, Recto

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