「王と王妃が、母后に隠れて家庭内で密会」とは?
ルイ9世と妻マルグリット・ド・プロヴァンス
1234年、20歳のフランス王ルイ9世(聖ルイ)は、プロヴァンス伯の長女と結婚します。

The Morgan Library & MuseumMoralized Bible (MS M.240)

妻となったマルグリット・ド・プロヴァンス (Marguerite de Provence) は当時12歳。(参考:『聖王ルイの世紀』. 白水社. アラン・サン=ドニ(著). 福本直之(訳))

引用:Tomb of Margaret of Provence CC-BY-SA-4.0
夫婦の仲は良く、ふたりは6男5女をもうけています(3人は早くに亡くなります)。
しかし、何かというと干渉してくるルイの母ブランシュ・ド・カスティーユとマルグリット王妃の仲はあまり良くなかったそうです。
亡父の遺志を継ぎ、息子を守り育て上げた母后と、野心を隠さない若妻…。
『カペー朝 フランス王朝史1』では、とにかくふたりを邪魔する母后ブランシュについても書かれています。
以下は、ルイ9世に仕えた騎士ジャン・ド・ジョアンヴィルの証言です。
「ブランシュ母后さまは、夜の帳が下りて床に就くというならやむをえないとして、それ以外の時間に息子が嫁と一緒にいるなんて許せないと、とにかく邪魔なされた。王にとっても、王妃にとっても、逗留するならポントワーズがよかろうとしたのは、そこでは王の部屋が上階に、王妃の部屋が下階にあるからなのだった。
佐藤賢一(著). 2009-7-20. 『カペー朝 フランス王朝史1』. 講談社現代新書. p.170.
とすると、こちらの二人は上階から下階へ降りる階段のところで会うことにし、また守衛にも母后が息子王の部屋を訪ねたときは杖で扉を叩けと、それを合図に王は急ぎ自室に戻れば、なにごともなかったかのように母后を迎えられるからと、またマルグリット王妃の守衛にも、ブランシュ母后が部屋に訪ねてきたときは同じように合図を送れ、とマルグリット王妃が自身で迎えるようにと、すっかり打ち合わせたものである」
王様と王妃様が、お母さまの目を盗んで階段で落ち合う図とは、一体…。
十字軍参加などで知られている聖王ルイ。王妃マルグリットも夫についていきます。
偉い王様の偉業、より、母と妻の間でうろうろする王様のエピソードの方に興味があります。
こちらの記事で取り上げています

マルグリットの妹ベアトリス・ド・プロヴァンスも十字軍に参加しました
