『死の島』で有名な19世紀スイス出身の画家、アルノルト・ベックリンの『見棄てられたヴィーナス』。だいぶ昔に日本に来たとき観た絵ですが、未だに忘れられない一枚です。
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『見棄てられたヴィーナス』( Die verlassene Venus ) 1860年 アルノルト・ベックリン
引用元:WIKIART_”Abandoned Venus(見棄てられたヴィーナス)”
英語のタイトルは “Abandoned Venus” です。
昔日本に来た時実物を観る機会がありました。
その時のメインの呼び物は『死の島』でしたが、私がとても気になったのはこの絵でした。
確か、絵葉書にもなってませんでしたね。あったら買ったのに。
絵はどこか退廃的で、淋しげな感じです。
存在を忘れられ、手入れもされず、生い茂る木々の中に立つ愛と美の女神・ヴィーナスの彫像。
背景の緑と融け合って、とても幻想的な雰囲気を醸し出しています。
薔薇はヴィーナスの持物(アトリビュート)ですが、像を覆い隠そうとするような薔薇が、まるで冠のようですね。
「ヴィーナス」が「見棄てられた」ということは、どこかで誰かの愛がひとつ終わったということを暗示しているのでしょうか。
引用元:WIKIART_”Abandoned Venus(見棄てられたヴィーナス)”
ベックリン展に来ていた作品で私が好きなもの
アルノルト・ベックリン( Arnold Böcklin, 1827年10月16日-1901年1月16日)
引用元:1873年の自画像
引用元:『死の島』(第1ヴァージョン)
19世紀、スイス出身のアルノルト・ベックリン(べックリーンとも表記)は、象徴主義、世紀末芸術を代表する画家です。
『死の島』が大変有名ですが、同じ主題で複数枚の絵が存在します。
『ペスト』『ヴァイオリンを弾く死神のいる自画像』など、他にも強く「死」を連想させる絵や、人魚やケンタウロスなどのちょっとブキミな人外を描いています。
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