真珠が大き目?フェルメールの『真珠の耳飾りの少女』

  • URLをコピーしました!

フェルメールの『真珠の耳飾りの少女』の耳飾り。通常の真珠より大きいんだそうです。

『真珠の耳飾りの少女』 1665年頃 フェルメール マウリッツハイス美術館蔵
『真珠の耳飾りの少女』 1665年頃 フェルメール マウリッツハイス美術館蔵

画像の上でクリックまたはタップすると大きい画像が出ます。また、画像の左下にある「引用元」のリンクをクリックしていただければ、元のファイルをご覧になることができます。「引用元」の表示が無いものは、この記事内に掲載したpublic domain の元ファイルから、解説のために必要な部分を拡大したものです。

目次

『真珠の耳飾りの少女』( Meisje met de parel ) 1665年頃 ヨハネス・フェルメール

『真珠の耳飾りの少女』 1665年頃 フェルメール マウリッツハイス美術館蔵
『真珠の耳飾りの少女』 1665年頃 フェルメール マウリッツハイス美術館蔵

引用元:『真珠の耳飾りの少女』

ネーデルラント連邦共和国(現在のオランダ)出身の画家フェルメール( Johannes Vermeer, 1632年10月31日? -1675年12月15日?)。

大変有名な少女の肖像ですが、この絵は「肖像画」ではありません。

これは「トロ二―(Tronie、頭部)」と呼ばれる、歴史画などの大作のための「キャラクター研究のようなもの」です。

モデルは誰か?それはわかりません。

しかし、瞳の光、唇の光が、彼女をとても生き生きと、魅力的に見せています。

『真珠の耳飾りの少女』 1665年頃 フェルメール マウリッツハイス美術館蔵
瞳の中の光

引用元:瞳の中の光 Koorosh Orooj CC-BY-SA-4.0

唇の右端にある白い点(『真珠の耳飾りの少女』 1665年頃 フェルメール マウリッツハイス美術館蔵)
唇の右端にある白い点

引用元:唇の右端にある白い点

少女の頭に巻かれたターバンにも異国情緒が漂いますね。

スマホやPC、本で見る色と、実物の色が若干違うのが残念ですが、この「フェルメール・ブルー」のターバンの青にはラピスラズリが使用されています。

「フェルメールブルー」と呼ばれるこの青には、中東アフガニスタンから輸入された貴石のラピスラズリが使われていました。黄金と同等の価値を持ち、「ウルトラマリンブルー」(海を超えた青)とも呼ばれたラピスラズリの絵の具は、普通の絵の具の100倍以上の値段だったといいます。

 フェルメールはこれを、赤や黄といった他の色にも混ぜて使いました。当時の絵の具は、画家が自ら鉱石を細かく粉砕した後、油を加えて練り上げ作っていました。

『フェルメール展 公式ガイドブック』. AERA MOOK. 朝日新聞出版社. p.22.

通常の絵の具の100倍高い…。

すごいですね…。発色が美しいわけですね。

真珠のイヤリング

1658年、オランダがポルトガルに代わり、セイロン島の宗主国になりました。

それ以来、オランダ東インド会社はアコヤ真珠を母国オランダにもたらすようになります。(参考:『真珠の世界史』 中公新書 p.101.)

フェルメールは他の絵にも真珠の耳飾りや首飾りを書き込んでいますが、この絵に描かれた真珠は「大き過ぎる」のだそうです。

もしかしたら、フェルメールは実際の真珠より大き目に描いたのかもしれません。

マウリッツハイス美術館の主任学芸員カンタン・ビュヴェロ氏は、この真珠が本物でない可能性を指摘し、

 ビュヴェロはヴェネツィア製の模造真珠を考えているが、真珠史では一六五六年にパリのジャカンという人物が、魚のうろこの銀白色の物質をガラス玉の内面に塗り、精巧な模造真珠を作った話も有名である。「真珠の耳飾りの少女」は一六六五年ごろの制作なので、時期的にも符合する。模造といえば聞こえは悪いが、当時、模造真珠をつけるのは最新のファッションで、それゆえフェルメールも描いたのかもしれなかった。

山田篤美(著). 2013-8-25. 『真珠の世界史 富と野望の五千年』. 中公新書. p.102.

当時の最新流行のイミテーション・パールだったんでしょうか。

『真珠の耳飾りの少女』 1665年頃 フェルメール マウリッツハイス美術館蔵
『真珠の耳飾りの少女』 1665年頃 フェルメール マウリッツハイス美術館蔵

引用元:『真珠の耳飾りの少女』 Sailko CC-BY-3.0

 1994年の修復で、唇の右端にハイライト効果を生む白い点が描かれていたこと、逆に、真珠の右下には以前の修復により描かれた当初は無かった白い点が載せられていたことが判明した。

木村泰司(監修). 『図解 名画の美女 巨匠たちが描いた絶世の美女50人』. 洋泉社. p.15.

画家の理想のサイズを描いたものか、または模造真珠だったのかはわかりませんが、この真珠に描かれた白い点が、いい感じの照りですよね。

もしこの真珠が本当にこのサイズであったなら…一体おいくらだったのか…。

いや、すっごく高価でしょうから、フェルメール家の家計逼迫間違いなしでしょう。

てことは、やっぱりもう少し安価な模造品なのかな。

うーん。どれが正解なんでしょうね。

マウリッツハイス美術館展(2012年)

2012年8月、上野・東京都美術館で開催されたマウリッツハイス展に行き、その時の感動をブログに綴りました。

さすが名品揃いのマウリッツハイス美術館展でした。

レンブラントを間近で見られる至福。

他にも、「これ知ってる!」と言える作品が多く来ていました。

そして最大の呼び物、暗い空間に浮かび上がるフェルメールの『真珠の耳飾りの少女』。
もちろん、絵の前は沢山の人だかりでした。

私もしっかり堪能。

いつかまた再会できることを祈ってその空間を後にし、売店に向かいました。

売店ではまず、実用的なクリアファイルを物色。
それからお菓子にキーホルダー、ストラップ、マグネット…。

図録や絵葉書以外にどんな品物が出ているのか、見るのがいつもとても楽しみです。

そして見つけてしまった。
とらやの羊羮「蒼ノ調べ」。

蒼ノ調べ

蒼ノ調べ
蒼ノ調べ 外観

最初、雑誌の記事で目にした時は正直びっくりしました。
「ようかん?」て。

しかも、絵をイメージして、青い…。
 
クッキーなど、作品をイメージしたお菓子やパッケージは見かけますが、“羊羮”とのコラボにはオランダ人もびっくりでは。

昔、チョコレートに名画がプレスされたものをパリのお土産に選んだこともあるけど、羊羮か…。

チャレンジャーだな…。

記事を見ながら、誰が買うんだろ、と思っていたら、
 
私でした。

買ってしまいました。

だって、とらやはとらやで大好きだし大ファンだし

とにかく、どんな味だか興味はある。

なんといっても、私が限りなく弱い「限定販売」ではないか…。 

裏にこう書いてありました。

ヨハネス・フェルメール。豊かな感性と、緻密な筆遣いが、今なお、多くの人を魅了し続ける、17世紀オランダの天才画家。彼の感性が紡ぐ、蒼と光の世界を表現した羊羮です。柔らかな光を感じさせる蒼と白の道明寺羮、そして陰影をはらんだ質感の煉羊羮。三色の重なり合う色彩に、糯米のやさしい食感と小豆の風味が織りなす味わいのハーモニーをお楽しみください。

「お楽しみください」って言われたんなら、楽しまないわけにいかないよね。

わかりました。買います。

楽しみます。

食べる前に記念撮影しました。

蒼ノ調べ
蒼ノ調べ

中はこんな感じでした。

とりあえず四等分してみました。  

相変わらずお上品なお味のとらやの羊羮。 

土台の部分(茶色の小豆部分)は期待通りです。
蒼と白の部分は糯米の食感が楽しい。   

そこでもう少しインパクトが欲しいと思うか、シンプルな透明感を支持するかは好みによりますが、私は美味しく楽しくいただいてしまいました。

主な参考文献
  • 『フェルメール展 公式ガイドブック』. AERA MOOK. 朝日新聞出版社.
  • 木村泰司(監修). 『図解 名画の美女 巨匠たちが描いた絶世の美女50人』. 洋泉社.
  • 山田篤美(著). 2013-8-25. 『真珠の世界史 富と野望の五千年』. 中公新書.
よかったらシェアしてください
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメント一覧 (2件)

  • ハンナさん、こんにちは。
    フェルメールの青は、ラピスラズリの青ですか…。
    贅沢と言うか、粉々にしてもったいないというか…(笑)
    以前、ベルリン美術館展が福岡に来た時、フェルメールの「真珠の耳飾りの少女」が来るということで、はりきって見に行ったら、違っていました。
    来ていたのは「真珠の首飾りの少女」。
    宣伝をしっかり見ていませんでした。
    笑えるでしょ。(笑)
    そりゃフェルメールの絵には違いないけど…正直がっかりしました。
    それにしても、とても小さい絵でした。
    とらやの羊羹…とても魅惑的な食べるのがもったいないような羊羹ですね。
    とらやだから、味は申し分ないでしょう(笑)
    ちょっと、お茶目なハンナさんが、垣間見られて、嬉しいです。

    • ぴーちゃん様

      また遅くなってすみません。コメント有難うございました。

      ベルリン美術館展が福岡でもやっていたこと、覚えています。
      私も別の地域で観に行きましたが、うん、わかるわかる。
      真珠の耳飾り・首飾りって、似てますもんね。あるあるです。
      『真珠の耳飾りの少女』は以前『青いターバンの少女』と表記されていたと思いますが、あの映画の影響でしょうかね。
      この場合はちょっと紛らわしいですよね。

      お目当てと違ったがっかり感はあるかもしれませんが、『真珠の首飾り』は結構人気の作品のようですので、やっぱり観ておいて損は無いと思います。
      粗忽な私よりきちんとご覧になっているだろうとは思いましたが、ぴーちゃんさんのお話を伺って、今回は急遽『真珠の首飾り』に関する記事を投稿することにしました。
      かぶりつきで観ることが難しい分、できるだけ見易いように、一部を拡大して掲載してみました。

      話は違いますが、もうひとつのブログ『HANNAの書庫』、もう一度有効活用したいと思い、ルーヴル美術館収蔵品オンリーサイトにすることにしました。
      このコロナ禍が収まって、いつの日かまた気軽に行けるようになるといいなあという想いを込めて。

      日々の感染者数を見ていると美術館に出掛けようにも勇気が要ります。
      感染したら無事に生還できる気が今いちしないからです。
      それまでは毎月何かしら観に行っていたものを、リスクを減らすために、どうしても観たいものだけに絞らざるを得ない状況です。
      しかし本当につらいのはコロナ禍で職を失ったり、ご家族に不幸があったり、最前線で頑張ってくださっている医療関係者の方々ではないかと思います。
      その分、今はまだ現地の美術館まで行けないけれど、という方にも楽しんでいただけるように、youtubeにあった動画も載せました。
      解説は外国語ですが、美術館の雰囲気は味わえます(笑)。
      私もまだ勉強しようと思います。

      今回も有難うございました。

コメントする

CAPTCHA


目次