画家アルテミジア・ジェンティレスキの父、オラーツィオ・ジェンティレスキ。デトロイト美術館にある「聖チェチリア」像です。

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『ヴァイオリンを持つ若い女性(聖チェチリア)』( Young Woman with a Violin ( Saint Cecilia ) 1611-1612年頃 オラーツィオ・ジェンティレスキ デトロイト美術館蔵

デトロイト美術館蔵の『ヴァイオリンを持つ若い女性(聖チェチリア)』の解説はこちらです。
ドラマティックな構図と目が印象的。
彼女の耳には神の声、または天上の音楽が聞こえたのでしょうか。



ヴァイオリンを手に、天を仰ぐ若い女性。副題で「聖チェチリア」と付いています。
聖チェチリアは2世紀頃の女性で、汚れなき乙女にしか聴こえないという「天上の音楽」を聴くことが出来たとされています。
盲人と音楽家の守護聖人である彼女の持ち物(アトリビュート)は、楽器。
この絵のように楽器を持った姿で描かれています。
名前はチェチリアの他に、「シシーリア」「セシーリア(セシリア)」「チェチーリア」「セシル(セシール)」「カエキリア」などと表記されます。
チェチリアに捧げられたサンタ・チェチリア・イン・トラステーヴェレ教会には、9世紀に地下墓所から彼女の棺が移されていましたが、1599年、棺のなかから遺骸が発見されました。
『美少女美術史』ではこのように記述されています。
遺体は伝説通りに首が切り離された状態で、頭部は布にくるまれていた。その状態から復元想像した姿を、一六〇〇年にマデルノが大理石像にしているが、そこでも首には切断痕がつけられている。
池上英洋・荒井咲紀(著).2017.『美少女美術史 人々を惑わせる究極の美』.ちくま学芸文庫.筑摩書房.p.122.
遺骸は死亡当時のまま。つまり、白骨化などはしていなかったそうす。

オラーツィオ・ジェンティレスキの『ヴァイオリンを持つ若い女性』の絵は載っていませんが、ステファノの『聖チェチリア』は載っています。可愛いお嬢さんもいっぱい載っています。電子書籍なら場所を取りません
デトロイト美術館展(1990年)の解説
1599年, この絵が制作される少し前に, キリスト教教会初期の殉教者, 聖チェチリアの遺体が無傷の状態で墓から発掘された。この音楽家の守護聖人である彼女の像は, バロック時代を通じて無数に作られた。この時代は教会音楽が非常に発達していたときであった。ジェンティレスキの作品に表された聖チェチリアは, その時代の絵画の多くの場合と同じように, 当時の衣服を身につけ, 17世紀のヴァイオリンを持っている。表現の精神性はこの聖人の歓喜あふれる表情を通してのみ示されている。
「ヴァイオリンを持つ若い女性(聖チェチリア)」. p.156.『デトロイト美術館展 1990年』.
勉強になるのはやっぱり美術展の図録。でも重いんですよね、場所も取るし…。
でも好き(/ω\)

オラーツィオ・ジェンティレスキ( Orazio Lomi Gentileschi, 1563年-1639年)

引用元:アンソニー・ヴァン・ダイクが描いたオラーツィオ・ジェンティレスキ
イタリア(トスカーナ)のピサ生まれのバロック期の画家。
ローマでカラヴァッジォの作品に親しみ、影響を受けました。
1621年にジェノヴァに、1624年頃マリー・ド・メディシスの招きでパリに行き、1626年まで滞在しています。
その後チャールズ1世に招かれ渡英。
1639年にロンドンで亡くなりました。
こちらは敵将の首を取ったユディットの絵です。似たようなアングル。

娘は画家のアルテミジア・ジェンティレスキ。
この『ヴァイオリンを持つ若い女性』はアルテミジアがモデルだと言われています。

- 『デトロイト美術館展 1990年』
- 池上英洋・荒井咲紀(著).2017.『美少女美術史 人々を惑わせる究極の美』.ちくま学芸文庫.筑摩書房.
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