ルーヴル美術館の「クニドスのアフロディテ」たち

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ルーヴル美術館で見られる「クニドスのアフロディテ」の像。『カウフマンの頭部』も掲載しました。

アフロディテ頭部 通称《カウフマンの頭部》( statue ; Tête de l’Aphrodite Kaufmann ) 高さ34cm 幅22cm 奥行き33cm 紀元前150年頃(プラクシテレスのオリジナルは紀元前360年頃) ルーヴル美術館蔵
アフロディテ頭部 通称《カウフマンの頭部》( statue ; Tête de l’Aphrodite Kaufmann ) 紀元前150年頃(プラクシテレスのオリジナルは紀元前360年頃) ルーヴル美術館蔵
目次

ルーヴル美術館の「クニドスのアフロディテ」たち

アフロディテ頭部 通称《カウフマンの頭部》( statue ; Tête de l’Aphrodite Kaufmann ) 紀元前150年頃 ルーヴル美術館蔵

アフロディテ頭部 通称《カウフマンの頭部》 高さ34cm 幅22cm 奥行き33cm 紀元前150年頃(プラクシテレスのオリジナルは紀元前360年頃) ルーヴル美術館蔵
アフロディテ頭部 通称《カウフマンの頭部》 高さ34cm 幅22cm 奥行き33cm 紀元前150年頃(プラクシテレスのオリジナルは紀元前360年頃) ルーヴル美術館蔵

引用元:アフロディテ頭部 通称《カウフマンの頭部》 Gary Todd CC-Zero Flickr images reviewed by FlickreviewR 2

ルーヴル美術館公式サイト

元の所有者カウフマン( Kaufmann )にちなみ、『カウフマンの頭部』とも呼ばれている女神像。

紀元前150年頃に作られたこの像は『クニドスのアフロディテ』の優れた模刻のひとつとされています。

古代ローマの文筆家によると、「わずかに微笑んでいた」とされる『クニドスのアフロディテ』像。

本作は紀元前360年頃作られたプラクシテレスのオリジナルに「最も近い」ともいわれています。

画像を挙げてくたさっている方々に感謝です。

ちょっとした角度、陰影の出方で印象が異なりますが、何処から見てもやっぱり美女には違いないことがよくわかります。

アフロディテ頭部 通称《カウフマンの頭部》 ルーヴル美術館蔵
アフロディテ頭部 通称《カウフマンの頭部》 ルーヴル美術館蔵

引用元:アフロディテ頭部 通称《カウフマンの頭部》 Marie-Lan Nguyen CC-BY-2.5

アフロディテ頭部 通称《カウフマンの頭部》 ルーヴル美術館蔵
アフロディテ頭部 通称《カウフマンの頭部》 ルーヴル美術館蔵

引用元:アフロディテ頭部 通称《カウフマンの頭部》 Shonagon CC-Zero

アフロディテ頭部 通称《カウフマンの頭部》 ルーヴル美術館蔵
アフロディテ頭部 通称《カウフマンの頭部》 ルーヴル美術館蔵

引用元:アフロディテ頭部 通称《カウフマンの頭部》 Marie-Lan Nguyen CC-BY-2.5

アフロディテ頭部 通称《カウフマンの頭部》 ルーヴル美術館蔵
アフロディテ頭部 通称《カウフマンの頭部》 ルーヴル美術館蔵

引用元:アフロディテ頭部 通称《カウフマンの頭部》 Sting CC-BY-SA-2.5

ルーヴル美術館展

『カウフマンの頭部』『クニドスのアフロディテ小像』( 記事内の2点 )も来日。

アフロディテ頭部( statue ) ローマ帝国時代 ルーヴル美術館蔵

アフロディテ頭部 高さ33.5cm 幅22cm 奥行き29cm ローマ帝国時代(プラクシテレスのオリジナルは紀元前360年頃) ルーヴル美術館蔵
アフロディテ頭部 高さ33.5cm 幅22cm 奥行き29cm ローマ帝国時代 ルーヴル美術館蔵

引用元:アフロディテ頭部 Sting CC-BY-SA-2.5

ルーヴル美術館公式サイト

『クニドスのアフロディテ』( statue )

展示場所:シュリー翼、344展示室

鼻は欠けていますが、美貌は健在。

品があって官能的、いつまでも見ていたい表情です。

アフロディテ頭部 ローマ帝国時代(プラクシテレスのオリジナルは紀元前360年頃) ルーヴル美術館蔵
アフロディテ頭部 ローマ帝国時代 ルーヴル美術館蔵

引用元:アフロディテ頭部 Gary Todd CC-Zero Flickr images reviewed by FlickreviewR 2

アフロディテ頭部 ローマ帝国時代(プラクシテレスのオリジナルは紀元前360年頃) ルーヴル美術館蔵
アフロディテ頭部 ローマ帝国時代 ルーヴル美術館蔵

引用元:アフロディテ頭部 Gary Todd CC-Zero Flickr images reviewed by FlickreviewR 2

元の所有者はカミーユ・ボルケーゼ侯爵。1807年にルーヴル美術館入りしています。

カミーユ・ボルケーゼ侯爵夫人は皇帝ナポレオンの妹プシューケーとクピドの物語 主な絵画とアントニオ・カノーヴァの彫刻

クニドスのアフロディテたちの展示風景
クニドスのアフロディテたちの展示風景

引用元:ルーヴル美術館展示風景 Darafsh CC-BY-SA-3.0

『クニドスのアフロディテのトルソー』( statue ; Aphrodite de Cnide ) 100年-200年? ルーヴル美術館蔵

『クニドスのアフロディテのトルソー』 高さ121cm 幅47cm 奥行き39cm 100年-200年?(プラクシテレスのオリジナルは紀元前360年頃) ルーヴル美術館蔵
『クニドスのアフロディテのトルソー』 高さ121cm 幅47cm 奥行き39cm 100年-200年? ルーヴル美術館蔵

引用元:『クニドスのアフロディテのトルソー』 Jean-Pol GRANDMONT

ルーヴル美術館公式サイト
ルーブル美術館

この美しいトルソー他プラクシテレスの模刻も掲載。ちょっと古いし大きい本ですが、参考になります。

『クニドスのアフロディテ』とは

『クニドスのアフロディテ』または『クニドスのヴィーナス』と表記されますが、ギリシャ神話に出てくる愛と美の女神アフロディテは、ローマ神話のヴィーナスと同一視されます。

彫刻家プラクシテレス

プラクシテレスは彫刻家・大ケフィソドトスの息子で、紀元前300年代半ばに活躍した彫刻家です。

コス島の人々から女神像の注文を受けたプラクシテレスは、自分の愛人だった高級娼婦フリュネをモデルに、ふたつの像を制作しました。

最初に制作した女神像は衣を着けていましたが、次にプラクシテレスが制作したのは全裸の女神像。

この像以前にも全身裸体のヴィーナスの小像はあったそうですが、等身大の裸体像は初めてでした。

初のオールヌードの女神像

完成した像はどちらも素晴らしい出来栄えでした。

どちらを引き渡すか迷ったプラクシテレスは、両方を注文主であるコス島の都市の議会に送ります。

しかし全裸の女神像を見たコス島の人々は仰天し、女神像の受け取りを拒否。

大論争の末、コス島の人々は着衣版の女神像のみを入手しました。

受け取りを拒否された裸体版の女神像はどうなったのか?

この女神像はクニドスによって購入されました。

すると裸体の女神像は人々が船に乗って見学に来るほどの大ブームに。

近隣の帝王から譲って欲しいという申し出もありましたが、クニドスの人々はこれを断りました。

クニドスで発行された硬貨のエングレービング
紀元前4世紀にクニドスで発行された硬貨(20世紀のエングレービング)

引用元:紀元前4世紀にクニドスで発行された硬貨

『クニドスのヴィーナス』から派生した女神像

記事内ではアフロディテとヴィーナスというように記述が混在していますが、書籍やWikipediaにあるそれぞれの通称に従っています。

古代においても大変有名だった『クニドスのアフロディテ』。

そのレプリカは大小の断片、大理石、青銅、テラコッタの小像、コインなど、現在200体近く知られているそうです。

『クニドスのアフロディテ』の派生として、『カピトリーニのヴィーナス』、フィレンツェの『メディチのヴィーナス』などがあります。

前出の硬貨のものとは異なり、『カピトリーニのヴィーナス』像は陰部だけではなく、胸も隠そうとしています。

カピトリーニのヴィーナス カピトリーニ美術館蔵
カピトリーニのヴィーナス カピトリーニ美術館蔵

引用元:カピトリー二のヴィーナス José Luiz uploads CC-BY-SA-4.0

下の画像はルーヴル美術館収蔵の「カピトリーニのヴィーナス」。この作品も元はボルケーゼ侯爵の所有でした。

『アフロディテとエロス』 身長192cm 幅78cm 奥行き67cm ローマ帝国時代(160年頃) ルーヴル美術館蔵
『アフロディテとエロス』 身長192cm 幅78cm 奥行き67cm ローマ帝国時代(160年頃) ルーヴル美術館蔵

引用元:『アフロディテとエロス』 Jastrow

ルーヴル美術館公式サイト

ふたつのタイプ、「コロンナのヴィーナス」と「ベルヴェデーレのヴィーナス」

『クニドスのアフロディテ』には大きく分けてふたつのグループがあります。

グループ分けの解説がわかりやすい Wikipedia(フランス語版)

「コロンナのヴィーナス」( colonna venus )のグループ

「自信に満ち威厳と落ち着きがあり、穏やか」な「コロンナのヴィーナス」像。

『クニドスのヴィーナス』 紀元前4世紀半ば プラクシテレス(にもとづくローマ時代の彫刻) ヴァチカン美術館蔵
『クニドスのヴィーナス』 紀元前4世紀半ば プラクシテレス(にもとづくローマ時代の彫刻) ヴァチカン美術館蔵

引用元:『クニドスのヴィーナス』

「ベルヴェデーレのヴィーナス」( Belvedere Venus )のグループ

「用心深く、不安げな表情」を浮かべる「ベルヴェデーレのヴィーナス」像です。

『クニドスのヴィーナス』 ローマ時代の彫刻 紀元前4世紀半ばのプラクシテレスにもとづく ヴァチカン美術館蔵
『クニドスのヴィーナス』 ローマ時代の彫刻 紀元前4世紀半ばのプラクシテレスにもとづく ヴァチカン美術館蔵

引用元:『クニドスのヴィーナス』 Daderot CC-Zero

図録『ルーヴル美術館展 ― 古代ギリシア芸術・神々の遺産 ―』(2006)から引用します。

各々のグループは、ヴァチカン美術館にある像の名前をとって名付けられているが、まず、コロナと呼ばれるタイプの像は、遠くを眺め、透き通った印象をもった女神で、衣服の襞はシンプルで、水浴しようとしており、傍らにおかれたアンフォラは小さく、地面に直接おかれている(cat.no.128参照)。

『ルーヴル美術館展 ― 古代ギリシア芸術・神々の遺産 ―』(2006) . p.177.

※「コロナ」となっていますが、本記事では「コロンナ」としています。

下の画像が、引用にあった「cat.no.128」です。

『クニドスのアフロディテ小像』( statuette ) ローマ帝国時代 ルーヴル美術館蔵

『クニドスのアフロディテ小像』( statuette ) 身長42cm 幅16cm 奥行き11cm ローマ帝国時代(プラクシテレスのオリジナルは紀元前360年頃) ルーヴル美術館蔵
『クニドスのアフロディテ小像』( statuette ) 身長42cm 幅16cm 奥行き11cm ローマ帝国時代 ルーヴル美術館蔵

引用元:『クニドスのアフロディテ小像』

ルーヴル美術館公式サイト

『クニドスのアフロディテ小像』( statuette )

展示場所:シュリー翼、344展示室

先の引用に続きます。《カウフマンの頭部》と同じ「ベルヴェデーレのヴィーナス」タイプに分類される「cat.no.29」について。

第二のタイプ(cat.no.30《カウフマンの頭部》も参照)は、ベルヴェデーレと呼ばれるもので、第一のタイプとは全く異なる。女神の横におかれた容器は把手が装飾されたヒュドリアで、台の上におかれ、ドレープの襞は複雑。長い首を傾げた頭部の不安げな様子は、入浴している際に不意をつかれ、裸を隠そうとしているかのようである。

『ルーヴル美術館展 ― 古代ギリシア芸術・神々の遺産 ―』(2006) . p.177.

「cat.no.29」は下の画像です。

『クニドスのアフロディテ小像』( statuette ) ローマ帝国時代 ルーヴル美術館蔵

『クニドスのアフロディテ小像』( statuette ) 身長12cm 幅9.95cm 奥行き10.05cm ローマ帝国時代(プラクシテレスのオリジナルは紀元前360年頃) ルーヴル美術館蔵
『クニドスのアフロディテ小像』 身長12cm 幅9.95cm 奥行き10.05cm ローマ帝国時代 ルーヴル美術館蔵

引用元:『クニドスのアフロディテ小像』 Tangopaso

ルーヴル美術館公式サイト

『クニドスのアフロディテ小像』( statuette )

展示場所:シュリー翼、344展示室

参考にさせていただいたプラクシテレスに関する記事(「ローマン・コピー」)。記事にはヴァチカン美術館の「コロンナのヴィーナス」と「ベルヴェデーレのヴィーナス」も掲載されています。http://mini-site.louvre.fr/praxitele/html/1.4.3.1_en.html

上記のプラクシテレスに関する記事(「ローマン・コピー」)から一部引用します。

 In the 4th century BC, figures of goddesses became more humanized, but did not display mortal weaknesses. The Venus Belvedere is a Hellenistic reinterpretation of the figure – more earthly, eroticized, and profane.

プラクシテレスに関する記事(「ローマン・コピー」https://mini-site.louvre.fr/praxitele/html/1.4.3.1_en.htmlから一部引用

Google翻訳:紀元前 4 世紀には、女神の姿はより人間化されましたが、致命的な弱点は見られませんでした。ヴィーナス ベルヴェデーレは、ヘレニズム時代の人物像の再解釈であり、より世俗的で、エロチックで、俗悪なものです。)

落ち着いて自信に満ちたコロンナのヴィーナスと、入浴を覗かれて困惑気味?または恥じらう様子を見せるベルヴェデーレのヴィーナス。

一部の専門家は、プラクシテレスの原作に最も近いのはコロンナのヴィーナスのタイプだとしているそうです。

ローマ時代の模刻がこんなに素晴らしいのだから、オリジナルは一体どれほどのものだったのでしょうねえ。いやぁ、見てみたいものです。

古代彫刻がたくさん掲載されています。アフロディーテに関する解説もわかり易いです。

ボッティチェッリの『ヴィーナスの誕生』のポーズと、古代彫刻のポーズの話(hanna and books の記事)『誘う絵』でヴィーナスのポーズについて学ぶ

こちらのオリジナルもプラクシテレスの作品ルイ14世に献上された『アルルのヴィーナス像』

ドイダルサスのローマン・コピー身をよじるヴィーナスの彫刻『うずくまるヴィーナス』

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