大きく結った髪形、印象的な衣装の青。英国の画家トマス・ゲインズバラによる肖像画。
『青い服を着た婦人の肖像』( Woman in Blue ) 1770年後半-1780年初頭 トマス・ゲインズバラ エルミタージュ美術館蔵
18世紀のフランス宮廷では、ルイ15世の愛妾だったポンパドゥール侯爵夫人、ルイ16世妃マリー・アントワネットがファッションリーダーとして華やかなロココ文化を牽引していました。
引用元:ポンパドゥール侯爵夫人
引用元:マリー・アントワネット
マリー・アントワネットの時代に、詰め物をして大きく盛り上げる髪形が大流行。
髪粉を振り、ポマードを塗り、ダチョウの羽根や自分の愛着のあるもので飾リ立てます。
セットするのも大変だけど、一度セットしたら寝るのも馬車に乗るのも一苦労だったという…。
ゲインズバラの絵のモデルについては諸説ありますが、ビューフォート公爵夫人( Duchess of Beaufort )ではないかと言われています。
どんな女性だったんでしょうね。
流行した化粧法のひとつである濃い頬紅をつけ、腕にはブレスレット。
引用元:『青い服を着た婦人の肖像』
引用元:『青い服を着た婦人の肖像』
全身像も見てみたかったなあ。
ロココの、優雅で甘い香りが漂う一枚です。
画家トマス・ゲインズバラ ( Thomas Gainsborough, 1727年-1788年)
引用元:トマス・ゲインズバラ自画像
代表作に『青衣の少年』『デヴォンシャー公爵夫人の肖像』があります。
画家本人は風景画を好み、肖像画は生活のために描いていると言っていたそうですが、肖像画はどれも素敵だと思います。
引用元:エルミタージュ美術館の展示風景 Poudou99 CC-BY-SA-4.0
旧ソ連時代の切手『青い服を着た婦人の肖像』(トマス・ゲインズバラ)
繊細な衣装の質感にわずかに開いた唇の艶やかさと、ずいぶん前からこの絵のファンです。
2017年のエルミタージュ美術館展で来日した時はもちろん観に行きましたとも。
旧ソ連時代にはエルミタージュ美術館所蔵の本作が切手として発行されています。
これはもう飾るために作られたとしか思えないでしょ!
引用元:『青い服を着た婦人の肖像』 Post of the Soviet Union https://fotki.yandex.ru/users/butko1978/album/53230/
私も昔ゲットしました。
いつか額に入れて飾ろうと思いつつ、ちょうど良いものが見つからず未だにストックブックの中に在ります。
裏の糊が強くて、湿気のある日本ではそっくり返ってしまいます…。
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