目利きの枢機卿シピオーネ・ボルゲーゼとボルケーゼ美術館のコレクション

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ローマにあるボルケーゼ美術館には、名門ボルケーゼ一族のひとり、シピオーネ・ボルケーゼが集めた数々のコレクションが収められています。

今回は代表的な絵画と、ベルニーニの彫刻を中心に観て回ります。

シピオーネ・ボルゲーゼ(1577年9月1日 – 1633年10月2日) 1632年 ベルニーニ作 ボルケーゼ美術館蔵
シピオーネ・ボルゲーゼ(1577年9月1日 – 1633年10月2日) 1632年 ベルニーニ作 ボルケーゼ美術館蔵

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目次

枢機卿シピオーネ・ボルゲーゼ( Scipione Borghese, 1577年9月1日 – 1633年10月2日)

シピオーネ・ボルゲーゼの胸像

シピオーネ・ボルゲーゼ(1577年9月1日 – 1633年10月2日) 1632年 ベルニーニ作 ボルケーゼ美術館蔵
枢機卿シピオーネ・ボルゲーゼ 1632年 ベルニーニ作 ボルケーゼ美術館蔵

引用元:枢機卿シピオーネ・ボルゲーゼ ボルケーゼ美術館蔵 Sailko CC-BY-3.0

シピオーネ・ボルゲーゼ(スピキオーネ・ボルケーゼとも表記)は、当時のローマ教皇パウルス5世の甥です。

上はベルニーニの作品、下の胸像はベルニーニの弟子、ジュリアーノ・フィネッリ( Giuliano Finelli, 1601年-1653年)の作です。

枢機卿シピオーネ・ボルケーゼ 1631年-1632年 フィネッリ作 メトロポリタン美術館蔵
枢機卿シピオーネ・ボルケーゼ 1631年-1632年 フィネッリ作 メトロポリタン美術館蔵

引用元:枢機卿シピオーネ・ボルケーゼ メトロポリタン美術館 CC-Zero

メトロポリタン美術館による解説(英語)はこちらです

教皇パウルス5世(Pope Paul V, 1552年9月17日-1621年1月28日)

教皇パウルス5世胸像(大理石) 1621年 ベルニーニ ゲッティセンター蔵
教皇パウルス5世胸像(大理石) 1621年 ベルニーニ ゲッティセンター蔵

引用元:教皇パウル5世 ゲティ・センター蔵

教皇パウルス5世胸像ベルニーニ(ブロンズ) コペンハーゲン国立美術館蔵
教皇パウルス5世胸像(ブロンズ) ベルニーニ コペンハーゲン国立美術館蔵

引用元:教皇パウルス5世胸像 Sailko CC-BY-3.0

大理石でもブロンズ製でもカッコいいですね。上下ともベルニーニの作品です。

このように好男子だったと思われるパウルス5世は、非常に背が高く、腕と脚は長く優美。

肌の色は白っぽい黄色、目は淡い青だったそうです。

顔つきはまじめで穏やかで、そこに威厳と魅力と快活さと厳しさが混在している。

  アノン『パウルス5世の生涯』

P.G.マックスウェル-スチュアート(著). 高橋正男(監修). 『ローマ教皇歴代誌』. p.240.

ローマ教皇パウルス5世(在位:1605年-1621年)は、シエナの名門貴族ボルゲーゼ家の出身です。

本名はカミッロ・ボルゲーゼ(Camillo Borghese)と言います。

世界史で言えば、イングランド王ジェームズ1世と交渉したり、ガリレオ・ガリレイとも対面したりしていますが、芸術方面ではローマに大きな貢献をしています。

彼はローマ皇帝トラヤヌスの水道を修復し(「アクア・パオラ」という名に変えた)、サン・ピエトロ大聖堂の身廊や正面(フアサード)などを完成させた。またカロロ・ポロメオを聖者に列し、イグナティウス・デ・ロヨラ、フランシスコ・ザビエル、フィリッポ・ネリ、アビラのテレサを列福(死者を天福を受けた者の列に加えるという意味で、聖者への大きなステップとなる❝福者❞の尊称を授けること)した。

P.G.マックスウェル-スチュアート(著). 高橋正男(監修). 『ローマ教皇歴代誌』. p.241.

1615年には、慶長遣欧使節の支倉常長らがにパウルス5世に謁見しています。

ヴィラ・ボルケーゼ( Villa Borghese )

ボルケーゼ美術館
ボルケーゼ美術館

引用元:ボルケーゼ美術館 Alessio Damato   CC-BY-SA-3.0-migrated CC-BY-SA-2.5,2.0,1.0

ローマ教皇の甥であるシピオーネが、古代ローマ皇帝にならってつくった広大な別荘地。

バロック様式と新古典様式をあわせもつヴィラ・ボルケーゼは夏の別荘として造られました。

「美に取り憑かれた枢機卿」シピオーネはここに素晴らしいコレクションを築き上げます。

 当時、ヴィラ・ボルケーゼはローマ教皇庁の私的迎賓館の役割も担っており、社交好きなシピオーネは、名画や古代彫刻にとりかこまれた贅を尽くした宴会を開いて、教皇をはじめとする貴賓たちを日夜もてなしていました。

NHK「世界美術館紀行」取材班編. 『NHK世界美術館紀行 3』. NHK出版. p.93.

ボルゲーゼ美術館のコレクション

『狩りをする女神ディアナ』( La caccia di Diana ) 1617年 ドメニキーノ 

『狩りをする女神ディアナ』( Diana and her Nymphs ) 1617年 ドメニキーノ ボルケーゼ美術館(ローマ)
『狩りをする女神ディアナ』 1617年 ドメニキーノ ボルケーゼ美術館

引用元:『狩りをする女神ディアナ』

こちらに視線を向けている手前のニンフがまたコケティッシュではありませんか。この表情がたまりません。

シピオーネもこの絵を気に入り、アトリエにあった時から目をつけていたそうです。

彼は何度もドメニキーノに譲ってくれるようかけあったとのことですが、この絵は元々アルドブランディーニ枢機卿の注文でドメニキーノが描いていたもの。

シピオーネは、ドメニキーノにアルドブランディー二枢機卿との約束を反古にさせようとしたが、いうことを聞かなかったために、兵を向けて絵を強奪させ、ドメニキーノを牢に入れてしまった。これは1617年ころの事件だから、パウルス5世の在位時代で、ローマにいたベルニーニも知っていたはずである。シピオーネがカラヴァッジオの作品を、税金の支払いに窮していたダルビーノという画家(カラヴァッジオを助手にしていたことがある)から巻き上げたというのも、事実だったようだ。

NHK「世界美術館紀行」取材班編. 『NHK世界美術館紀行 3』. NHK出版. p.120.

ドメニキーノは3日間牢に閉じ込められました。

『キリストの埋葬』( La Deposizione Borghese ) 1507年 ラファエロ・サンツィオ 

『キリストの埋葬』  1507年 ラファエロ ボルケーゼ美術館蔵
『キリストの埋葬』  1507年 ラファエロ ボルケーゼ美術館蔵

引用元:『キリストの埋葬』

1507年、フィレンツェで、ラファエロはアタランタ・バリオーニという貴婦人の依頼を受け、『キリストの埋葬』を完成させました。

デッサンも多く残っていて、とても熱心に研究、苦心したことがわかります。

この死せるキリストを中心とする群像画は、ペルージャの内紛で息子を殺されたペルージャ君主の一族アタランタ・バリオーニ夫人からの依頼で描かれたもので、登場人物の多くは関係者の肖像画になっている。

NHK「世界美術館紀行」取材班編. 『NHK世界美術館紀行 3』. NHK出版. p.79.

絵はペルージャのバリオーニ大聖堂に飾られていましたが、シピオーネは手の者に命じて夜陰に紛れこの絵を盗み出しました。

ペルージャ側から絵の返還要求が出されますが、最終的に、シピオーネに宛てた「この絵を永久にお譲りします」との手紙がヴァチカンの古文書館に残っています。

これには伯父のパウルス5世の力が働いたと言われています。(参考:『NHK世界の果実界美術館紀行 3』)

『一角獣と貴婦人』( Dama con Liocorno ) 1505年頃 ラファエロ・サンツィオ

『一角獣と貴婦人』 1505年頃 ラファエロ ボルケーゼ美術館蔵
『一角獣と貴婦人』 1505年頃 ラファエロ ボルケーゼ美術館蔵

引用元:『一角獣と貴婦人』

2世紀末の寓意的な博物誌『フュシオロゴス』によると、獰猛な一角獣は狩人に捕えられず、処女には従順になるとされ(多分、男根象徴が大母の処女相に結びついたもの)、以来、純潔の象徴となり、

平松洋(著). 『名画の謎を解き明かすアトリビュート図鑑』. KADOKAWA. p.130.

ラファエロの『一角獣と貴婦人』のような貴婦人の肖像画に描かれ、「純潔」の象徴とされます。

一角獣(ユニコーン)を抱くのは、ジュリア・ファルネーゼ( Giulia Farnese, 1474年-1524年3月23日)。

ジュリアは悪名高いローマ教皇アレクサンデル6世の愛人で、一時期アレクサンデル6世の娘・ルクレツィア・ボルジアとも同居していました。

また、ジュリアは『狩をする女神ディアナ』のドメニキーノが描いた『処女と一角獣』(1602年)のモデルとされています。

『処女と一角獣』 1602年 ドメニキーノ パラッツォ・ファルネーゼ蔵
『処女と一角獣』 1602年 ドメニキーノ パラッツォ・ファルネーゼ蔵

引用元:『一角獣と貴婦人』

『メリッサ』( Melissa ) 1523年頃 ドッソ・ドッシ

『メリッサ』 1523年頃 ドッソ・ドッシ ボルケーゼ美術館蔵
『メリッサ』 1523年頃 ドッソ・ドッシ ボルケーゼ美術館蔵

引用元:『メリッサ』

ドッソ・ドッシは、フェラーラ公アルフォンソ1世・デステ(ルクレツィア・ボルジアの夫)、エルコレ2世・デステ(アルフォンソとルクレツィアの息子)に仕えました。

ドッシの絵の女性は、その持ち物(アトリビュート)から「キルケ」と思われていたようです。

キルケとは、ホメロスの『オデュッセイア』に登場する魔女で、男を動物に変えてしまう力を持っています。

そのため、絵画に描かれる時は動物(元人間)をしたがえていることが多く、時に「持ち物」として、魔法の杖や毒杯を持っています。

『【名画】絶世の美女 魔性』(新人物往来社. p.22.)では、この絵はキルケではなく、「逆に魔法を解いて人間に戻す良き魔女のメリッサだと言われている」とあります。

『アポロンとダフネ』( Apollo e Dafne ) 1522年頃 ドッソ・ドッシ

『アポロンとダフネ』 1522年頃 ドッソ・ドッシ ボルケーゼ美術館蔵
『アポロンとダフネ』 1522年頃 ドッソ・ドッシ ボルケーゼ美術館蔵

引用元:『アポロンとダフネ』

後述するベルニーニの作品と同じお題、神話画『アポロンとダフネ』。

アルフォンソ1世・デステによる注文のようですが、アポロンは詩の神、音楽の神でもあります。

よく竪琴を持っていたりしますよね。

このアポロンが持つのはヴァイオリンで、ヴァイオリンはアルフォンソ1世の得意な楽器でした。

また、2008年11月、オーストラリアのヴィクトリア国立美術館が、ドッソ・ドッシによる黒衣の女性の絵はアルフォンソの妻で教皇アレクサンデル6世の娘、「ルクレツィア・ボルジアの肖像画である」と発表しています。

『若い女性の肖像』 ドッソ・ドッシ 1518年頃 ヴィクトリア国立美術館蔵
『若い女性の肖像』 1518年頃 ドッソ・ドッシ ヴィクトリア国立美術館蔵

引用元:ルクレツィア・ボルジアの肖像

『聖母子』( Madonna col Bambino ) 1510年頃 ジョバンニ・ベッリーニ

『聖母子』 1510年 ジョヴァンニ・ベッリーニ ボルケーゼ美術館蔵
『聖母子』 1510年 ジョヴァンニ・ベッリーニ ボルケーゼ美術館蔵

引用元:『聖母子』

15世紀ヴェネツィア派最大の巨匠、ベッリーニは、ルネサンスの名花・イザベラ・デステなどエステ家の人々と関わりが深く、1514年に古代の神話に題材を取った『神々の饗宴』を描きました。

『神々の饗宴』はイザベラの弟アルフォンソ1世とルクレツィアの結婚記念画とされ、後年同じヴェネツィア派のティツイアーノによって加筆されています。

『神々の饗宴』  1514年 / 1529年 ワシントン、ナショナル・ギャラリー蔵
『神々の饗宴』  1514年 / 1529年 ワシントン、ナショナル・ギャラリー蔵

引用元:『神々の饗宴』

『ダナエ』( Danae ) 1530年頃 コレッジョ

『ダナエ』 1531年頃 アントニオ・コレッジョ ボルゲーゼ美術館蔵
『ダナエ』 1531年頃 アントニオ・コレッジョ ボルゲーゼ美術館蔵

引用元:『ダナエ』

イタリアの画家コレッジョは、塔内のダナエとキューピッドを描いています。

キューピッドがいることで、まもなくやって来るゼウスとダナエの愛の交歓を想像させます。

『ヴィーナスと蜂の巣を持つキューピッド』( Venus and Cupid with a Honeycomb ) 1531年 ルーカス・クラナッハ(父)

『ヴィーナスと蜂の巣を持つキューピッド』 1531年 ルーカス・クラナッハ(父) ボルケーゼ美術館蔵
『ヴィーナスと蜂の巣を持つキューピッド』 1531年 ルーカス・クラナッハ(父) ボルケーゼ美術館蔵

引用元:『ヴィーナスと蜂の巣を持つキューピッド』

北方ヨーロッパのルネサンスの巨匠、クラナッハ(クラナーハとも表記)の、妖しい魅力のヴィーナスです。

この絵とほぼ同じ構図の絵がベルギーのブリュッセルにあり、その解説が『「世界の名画」謎解きガイド 迷宮篇』(PHP文庫 p.86.)に掲載されています。

薄いヴェールや装飾付きの帽子、宝石やネックレスで身を飾ったヴィーナスと、蜂蜜を盗み、ミツバチに刺されるキューピッドが描かれている。快楽には苦しみが紛れており、味わうには苦い経験をともなうという戒めが含まれている。

海野弘・平松洋(監修). 『性愛の西洋美術史』. 洋泉社. p.43.

『聖愛と俗愛』( L’Amor sacro e Amor profano ) 1514年 ティツイアーノ・ヴェチェリオ

『聖愛と俗愛』 1514年 ティツイアーノ・ヴェチェリオ ボルケーゼ美術館蔵
『聖愛と俗愛』 1514年 ティツイアーノ・ヴェチェリオ ボルケーゼ美術館蔵

引用元:『聖愛と俗愛』

白いドレスの女性は「地上のヴィーナス」を、裸の女性は「天上のヴィーナス」を表す寓意画です。

モデルはティツイアーノの恋人かもしれません。

衣裳は「虚飾」とも取れ、向かって右の女性が「天上のヴィーナス」とされるのは、生まれたばかりのヴィーナスは裸だったから。

神は超越的な存在です。

 ティツイアーノの《聖愛と俗愛》が、図象学上の意味はどうであれ、まず造形的にひとりの女性の二重肖像であるということは、たしかにその通りであろう。

高階秀爾(著). 『ルネッサンスの光と闇(下) 芸術と精神風土』. 中公文庫. p.87.

ふたりの女性をはじめとして、この画面に登場するさまざまのモティーフは、いずれ多くの点でこの時代に共通の言葉を語っているからである。では、恋人の肖像画という以外に、謎めいたこの画面はいったい何を物語っているのだろうか。

一見して明らかなことは、どちらが「聖」であり「俗」であるにせよ、画面の主役であるふたりの女性が、まったく双生児のようなその相貌の類似にもかかわらず(あるいはおそらくその故に)、できるかぎり対照的に描き出されていることである。 ただ正面と横顔という対照だけでなく、そのポーズも、裸婦の方は両手を拡げ、特に片方の手を大きく天に差しのべているのに対し、着衣の女性は両腕がほとんどひとつの環を形づくるように置かれている。つまり、裸婦の方がいわば「開かれた」ポーズを示しているのに対し、着衣像の方は「閉ざされた」ポーズを見せているのである。

高階秀爾(著). 『ルネッサンスの光と闇(下) 芸術と精神風土』. 中公文庫. p.87.

向かって右の女性の持つ「開かれた」器、「開かれた」空間に対し、左の女性の「閉ざされた」器、空間。

着衣の女性は顔以外の肌を見せず、手袋までしています。頭には「ミルラの花飾り」まで。

共通項としては、ふたりの女性がとてもよく似ているということ、手に金属製の容器を持っていること、それぞれの背景には建物があり、馬に乗った人物やウサギがいること。(参考:『ルネッサンスの光と闇(下) 芸術と精神風土』)

当然画家はこれらのことを意図して描いたのですが、

 この画面の謎を解くために、多くの学者たちがまず注目したのは、ふたりの女性たちのちょうど中間の前景部分に生えていて、石の泉の浮彫りを一部覆い隠しているバラの樹である。バラの花は泉水の石の縁にも置かれているし、着衣の女性の手にも握られている。特に、その着衣の女性の左手のすぐ傍ら、石の上に置かれた赤いバラの花は、ボッティチェルリ《ヴィーナスの誕生》の海の上に舞うバラの花を思わせる。

高階秀爾(著). 『ルネッサンスの光と闇(下) 芸術と精神風土』. 中公文庫. p.89.

バラの花、ウサギはヴィーナスの「持ち物」です。

まだ本当の「愛」を知らない無垢な女性が、天上の愛を知っていくプロセス?

ご興味のある方は是非『ルネッサンスの光と闇(下) 芸術と精神風土』をお読みください。

『キューピッドに目隠しをするヴィーナス』( Venus vendando al Amor ) 1565年頃 ティツイアーノ・ヴェチェリオ 

『キューピッドに目隠しをするヴィーナス』 1565年頃 ティツイアーノ・ヴェチェリオ ボルケーゼ美術館蔵
『キューピッドに目隠しをするヴィーナス』 1565年頃 ティツイアーノ・ヴェチェリオ ボルケーゼ美術館蔵

引用元:『キューピッドに目隠しをするヴィーナス』

恋は盲目と申します。

ボッティチェリの「春」で矢を放つキューピッドはわざと目隠しをして「盲目」状態にあるが、イコノロジー(図象解釈学)によれば、このキューピッドは肉体ではなく「心眼」で見ており、精神的愛を主張した15世紀フィレンツェのプラトン主義哲学の反映となる。しかし16世紀のティツイアーノの絵のヴィーナスは、息子に目隠しをしてよいのか表情が曖昧である。

井出洋一郎(著). 『ギリシア神話の名画はなぜこんなに面白いのか』. 中経の文庫. p.77.

『スザンナと長老たち』( Susanna e i vecchioni ) 1655年 ヘリット・ファン・ホントホルスト 

『スザンナと長老たち』 1655年 ヘリット・ファン・ホントホルスト ボルケーゼ美術館蔵
『スザンナと長老たち』 1655年 ヘリット・ファン・ホントホルスト ボルケーゼ美術館蔵

引用元:『スザンナと長老たち』 Sonse CC-BY-2.0

オランダのユトレヒト出身の画家、 ヘリット・ファン・ホントホルストによる『スザンナと長老たち』です。

カラヴァッジオの明暗法を習得し、若き日のレンブラントにも影響を与えました。

「ダニエル書」のなかで、スザンナというヘブライ人の人妻が水浴を終えたところに、2人の好色な長老たちがやってきます。

そして関係を迫り、「もし拒否すれば、お前が庭で青年と密会していたと告発するぞ」と彼女を脅し、拒否したスザンナはあわや死罪に…というお話で、水浴するスザンナという、女性の裸体を描く絶好の口実にもなりました。

左方向から差し込む光によって、スザンナの美しい裸体が映し出される一方で、長老たちの顔は暗く陰影を作り、その淫欲に呆けた狂気の表情を強調しています。

平松洋(著). 『誘う絵』. ビジュアルだいわ文庫. p.222.

『スザンナと長老たち』( Susanna e i vecchioni ) 1607年 ルーベンス

『スザンナと長老たち』 1607年 ルーベンス ボルケーゼ美術館蔵
『スザンナと長老たち』 1607年 ルーベンス ボルケーゼ美術館蔵

引用元:『スザンナと長老たち』

『ユピテルとユーノー』( Giove e Giunone ) 1612年頃 アントニオ・カラッチ

『ユピテルとユーノー』 17世紀初め アントニオ・カラッチ ボルケーゼ美術館蔵
『ユピテルとユーノー』 17世紀初め アントニオ・カラッチ ボルケーゼ美術館蔵

引用元:『ユピテルとユーノー』 Sailko CC-BY-3.0

ローマ神話の主神ユピテル(ユーピテル、ジュピター Jupiter)と、その妻ユーノー(ユノ、ジュノー Juno)の床入りの場面です。

ユピテルはギリシア神話ではゼウス、ユーノーはヘラ。

画面左上隅で稲妻が空中のキューピッドに握られているはないか。室内では浮気者のゼウスがヘラをベッドに迎えているところから、キューピッドに稲妻を盗ませたのは夫の愛を取り戻したいヘラの陰謀であったことがわかる。

井出洋一郎(著). 『ギリシア神話の名画はなぜこんなに面白いのか』. 中経の文庫. p.27.

「勝った」と、いうようなユーノーの表情が良いですね。

画家カラッチ一族のひとり、アントニオ・カラッチの作品です。

下は元ネタ、アントニオの叔父で、バロックを代表する画家のひとり、アンニ―バレ・カラッチのパラッツォ・ファルネーゼのフレスコ画。

アンニーバレ・カラッチの『Loves of the Gods』より『ユピテルとユーノー』 パラッツォ・ファルネーゼ(ファルネーゼ宮)
アンニーバレ・カラッチの『Loves of the Gods』より『ユピテルとユーノー』 パラッツォ・ファルネーゼ(ファルネーゼ宮)

引用元:アンニーバレ・カラッチの『Loves of the Gods』より『ユピテルとユーノー』

ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジォ( Michelangelo Merisi da Caravaggio, 1571年9月28日-1610年7月18日)

『洗礼者ヨハネ』( John the Baptist ) 1609年-1610年頃 カラヴァッジォ

『洗礼者ヨハネ』 1609年-1610年頃 カラヴァッジオ ボルケーゼ美術館蔵
『洗礼者ヨハネ』 1609年-1610年頃 カラヴァッジオ ボルケーゼ美術館蔵

引用元:『洗礼者ヨハネ』

どこか放心した表情をしている。また、洗礼者ヨハネの本来のアトリビュートである十字の杖はただの杖となっている。

海野弘・平松洋(監修). 『性愛の西洋美術史』. 洋泉社. p.54.

カラヴァッジォは、本名をミケランジェロ・メリージといい、カラヴァッジォ(カラヴァッジョ)村の出身です。

喧嘩、殺人、逃亡と波乱に満ちた人生を駆け抜けました。

1592年、ほとんど無一文でローマに出て来た彼は職を転々とし、

画家仲間のところに転がり込んで、頭部や半身像などを描いては、それを食事代にしていたが、カラヴァッジオのこれらの作品は、ローマに新しいスタイルの絵画をもたらすきっかけとなった。画家カヴァリエ―レ・ダルビーノ(本名ジュゼッペ・チェーザリ)のところで助手をしたのもこのころで、そこに残されたカラヴァッジオの絵画がのちにシピオーネ・ボルケーゼ枢機卿に巻き上げられたことは、すでにふれたとおりである。

《果物籠を持つ少年》(1593-94年 ボルケーゼ美術館)、《病めるバッカス》(1593-94年 ボルケーゼ美術館)などの作品だ。この時代の《病めるバッカス》や《トカゲに噛まれた少年》(1594年頃、ロンギ・コレクション)といった作品は、モデルが雇えないために、自分の顔を鏡に映して描いたものだと言われている。

NHK「世界美術館紀行」取材班編. 『NHK世界美術館紀行 3』. NHK出版. p.124.

『果物籠を持つ少年』 1593年頃 カラヴァッジォ 

『果物籠を持つ少年』 1593年頃 カラヴァッジオ ボルケーゼ美術館蔵
『果物籠を持つ少年』 1593年頃 カラヴァッジオ ボルケーゼ美術館蔵

引用元:『果物籠を持つ少年』

『病めるバッカス』 1593年頃 カラヴァッジォ 

『病めるバッカス』 1593年頃 カラヴァッジオ ボルケーゼ美術館蔵
『病めるバッカス』 1593年頃 カラヴァッジオ ボルケーゼ美術館蔵

引用元:『病めるバッカス』

『蛇の聖母』 1605年-1606年 カラヴァッジォ

『蛇の聖母』 1605年-1606年 カラヴァッジオ
『蛇の聖母』 1605年-1606年 カラヴァッジオ ボルケーゼ美術館蔵

引用元:『蛇の聖母』

聖母のモデルは『ロレートの聖母』(1603年-1606年 サンタゴスティーノ聖堂)と同じ、カラヴァッジォの情婦・レーナとの説があります。

教皇庁馬丁組合の聖アンナ同信会からの依頼なのに、肝心な聖アンナを醜い老婆、聖母を同時代の巨乳の娼婦、イエス様を素っ裸の悪ガキに描いて、受け取り拒否。これを引き取ったボルケーゼ枢機卿は以後、カラヴァッジョのパトロンとなり、トラブルや犯罪を揉み消すなど甘やかしまくります。

(『知識ゼロからの西洋絵画 困った巨匠たち対決』 山田五郎(著) 幻冬舎 P62)

『ダヴィデとゴリアテ』 1610年頃 カラヴァッジォ

『ダヴィデとゴリアテ』 1610年頃 カラヴァッジォ ボルケーゼ美術館蔵
『ダヴィデとゴリアテ』 1610年頃 カラヴァッジォ ボルケーゼ美術館蔵

引用元:『ダヴィデとゴリアテ』

教皇の恩赦を得ようとシチリアからナポリに戻った頃の作品。旧約聖書の英雄ダヴィデに斬られた巨人ゴリアテの首は、最後の自画像ともいわれています。死すべき運命を覚悟したのか、単に同情を買おうとしたのか。自らの生首をあえて描いた真意は不明です。

(『知識ゼロからの西洋絵画 困った巨匠たち対決』 山田五郎(著) 幻冬舎 P67)

ジャン・ロレンツォ・ベルニーニ(Gian Lorenzo Bernini、1598年12月7日-1680年11月28日)

自画像 1623年頃 ベルニーニ

ジャン・ロレンツォ・ベルニーニの自画像 1623年頃
ジャン・ロレンツォ・ベルニーニの自画像 1623年頃 ボルケーゼ美術館蔵

引用元:ベルニーニ自画像

ベルニーニの父で彫刻家のピエトロは1605年頃、「同郷」の教皇パウルス5世に招かれ、一家でローマにやってきます。

そこでパウルス5世の甥・シピオーネは、少年ジャン・ロレンツォ・ベルニーニが天才であることを見抜き、伯父の教皇と共にこの少年が「現代のミケランジェロ」になることを期待します。

彼はカラヴァッジョの次の世代にあたり、バロック期のイタリアにおいて建築と彫刻の世界に長年君臨しました。今でも、ヴァチカンのサン・ピエトロ大聖堂の内部装飾や列柱広場、ナヴォーナ広場やいくつもある噴水など、ベルニーニの作品に当たらないようにローマを歩くことは困難なほどです。

(『西洋美術史入門』 池上英洋(著) ちくまプリマ―新書 P73)

『プロセルピナの略奪』 1621年-1622年 ベルニーニ

『プロセルピナの略奪』 1621年-1622年 ベルリーニ ボルケーゼ美術館蔵
『プロセルピナの略奪』 1621年-1622年 ベルニーニ ボルケーゼ美術館蔵

引用元:プロセルピナの略奪 Alvesgaspar CC-BY-SA-4.0

花を摘んでいたプロセルピナ(ペルセフォネ)が、地底から現れたハデスにさらわれ、冥界に連れ去られる場面です。

大理石ですよ!

なのに、この柔らかな、弾力を感じる肌の質感!!!

食い込む指、反りかえる足指、波打つ髪、頬を伝う涙。

『プロセルピナの略奪』 1621年-1622年 ベルリーニ ボルケーゼ美術館蔵
『プロセルピナの略奪』 ベルニーニ

引用元:プロセルピナの略奪(部分)

『プロセルピナの略奪』 1621年-1622年 ベルニーニ ボルケーゼ美術館蔵
『プロセルピナの略奪』 ベルニーニ

引用元:プロセルピナ Sailko CC-BY-3.0

『プロセルピナの略奪』 1621年-1622年 ベルニーニ ボルケーゼ美術館蔵
『プロセルピナの略奪』 ベルニーニ

引用元:プロセルピナ Sonse CC-BY-2.0

『アポロンとダフネ』(『アポロとダフネ』) 1622年-1625年 ベルニーニ 

『アポロンとダフネ』(『アポロとダフネ』) 1622年-1625年 ベルニーニ
『アポロンとダフネ』(『アポロとダフネ』) 1622年-1625年 ベルニーニ ボルケーゼ美術館蔵

引用元:『アポロンとダフネ』 Daderot

古代ローマの詩人オウィディウスの『変身物語』をテーマにしたこの彫刻は、当時たいへんな評判となったという。太陽神アポロの愛を拒んだダフネが神々の助けを借りて月桂樹の木に姿を変える、変身の瞬間。ダフネの手は木の枝に変わり、足の指先からは根が生えている。

(『NHK世界の美術館紀行 3』 P107)
『アポロンとダフネ』(『アポロとダフネ』) 1622年-1625年 ベルニーニ ボルケーゼ美術館蔵
『アポロンとダフネ』(『アポロとダフネ』) 1622年-1625年 ベルニーニ ボルケーゼ美術館蔵

引用元:『アポロンとダフネ』  Alvesgaspar  CC-BY-SA-4.0

『アポロンとダフネ』(『アポロとダフネ』) 1622年-1625年 ベルニーニ ボルケーゼ美術館蔵
『アポロンとダフネ』(『アポロとダフネ』) ベルニーニ

引用元:足元拡大部分 Sailko CC-BY-3.0

『アポロンとダフネ』(『アポロとダフネ』) 1622年-1625年 ベルニーニ ボルケーゼ美術館蔵
展示風景。後ろの絵にご注目を 『アポロンとダフネ』(『アポロとダフネ』)

引用元:『アポロンとダフネ』 Tamlynavery CC-BY-SA-4.0

この室内の奥の壁に掛けられているのは、ドッソ・ドッシの絵ですね(^^)。

ベルニーニは『アポロンとダフネ』『プロセルピナの略奪』『ダヴィデ』をシピオーネのために制作しましたが(他にもあります)、なんと彼は当時まだ20代です!!

『ダヴィデ』 1623年-1624年 ベルニーニ 

『ダヴィデ』 1623年-1624年 ベルニーニ ボルケーゼ美術館蔵
『ダヴィデ』 1623年-1624年 ベルニーニ ボルケーゼ美術館蔵

引用元:『ダヴィデ』 Galleria Borghese CC-BY-SA-4.0

旧約聖書の英雄ダヴィデが、巨人ゴリアテを討とうとする一瞬。強烈な意志を感じさせるダヴィデの表情は、ベルニーニが自らの顔を写して刻んだものといわれる。

(『NHK世界の美術館紀行 3』 P108)

下はローマにあるベルリーニによる絵画作品です。

『ダヴィデ』 1625年 ベルニーニ 国立古典絵画館蔵
『ダヴィデ』 1625年 ベルニーニ 国立古典絵画館蔵

引用元:『ダヴィデ』

教皇ウルバヌス8世(在位:1623年8月6日-1644年7月29日)

『教皇ウルバヌス8世の肖像』 1625年 ベルニーニ 国立古典絵画館蔵
『教皇ウルバヌス8世の肖像』 1625年 ベルニーニ 国立古典絵画館蔵

引用元:ウルバヌス8世の肖像

パウルス5世、グレゴリウス15世が死去し、マッフェオ・バルベリーニがローマ教皇となります。

幸運なことに、バルベリーニはベルニーニの父と同じフィレンツェ人でした。

ベルニーニの父ピエトロはこのバルベリーニの依頼で、サン・タンドレア・デッラ・ヴァッレの礼拝堂の仕事をしていたのですが、バルベリーニ(ウルバヌス8世)は、

無類の芸術愛好家で詩人でもあり、若いベルニーニの才能にも注目していたのである。同時に、シピオーネ・ボルケーゼは、このウルバヌス8世の誕生に一役買っていたために、中枢に生き残ったのであった。

(『NHK世界の美術館紀行 3』 P119)

シピオーネ、しぶとい。

『教皇ウルバヌス8世の胸像』 ベルニーニ 国立古典絵画館蔵
『教皇ウルバヌス8世の胸像』 ベルニーニ 国立古典絵画館蔵

引用元:『教皇ウルバヌス8世の胸像』 Livioandronico2013 CC-BY-SA-4.0

現在「国立古典絵画館」として使われているパラッツォ・バルベリーニ(バルベリーニ宮)は、このウルバヌス8世の命で建てられました。

ベルニーニのその他の作品

ルイ14世の胸像 1665年 ヴェルサイユ宮殿

ルイ14世の胸像 1665年 ベルニーニ ヴェルサイユ宮殿
ルイ14世の胸像 1665年 ベルニーニ ヴェルサイユ宮殿

引用元:ルイ14世の胸像 George CC-BY-SA-3.0,2.5,2.0,1.0

大理石がたなびいています!!

『聖テレサの法悦』(『法悦の聖テレサ』) 1647年-1652年 サンタ・マリア・デラ・ヴィットーリア聖堂

『聖テレサの法悦』 1647年-1652年 ベルニーニ サンタ・マリア・デラ・ヴィットーリア聖堂
『聖テレサの法悦』 1647年-1652年 ベルニーニ サンタ・マリア・デラ・ヴィットーリア聖堂

引用元:『聖テレサの法悦』 sailko CC-BY-SA-3.0-migrated CC-BY-2.5

これも大理石!!!

聖女テレサ(テレジア)の、「神の愛に触れた」神秘体験を主題にしています。聖女の恍惚の表情が官能的で、見事。

この作品の全体像も荘厳なバロックらしく、非常にドラマティックです。

『聖テレサの法悦』 1647年-1652年 ベルニーニ サンタ・マリア・デラ・ヴィットーリア聖堂
『聖テレサの法悦』 1647年-1652年 ベルニーニ サンタ・マリア・デラ・ヴィットーリア聖堂

引用元:『聖テレサの法悦』Benjamín Núñez González CC-BY-SA-4.0

舟の噴水(ローマ市内、スペイン広場) 

舟の噴水
舟の噴水

引用元:舟の噴水 Lalupa CC-BY-SA-3.0-migrated

『眠れるヘルマプロディートス』 (『ボルケーゼのヘルマプロディートス』)のマットレス 1619年 ベルニーニ ルーヴル美術館

『眠れるヘルマフロディトゥス』 (『ボルケーゼのヘルマフロディトゥス』 Borghese Hermaphroditus ) ルーヴル美術館
『眠れるヘルマフロディトゥス』 (『ボルケーゼのヘルマフロディトゥス』 ) ルーヴル美術館

引用元:『眠れるヘルマフロディトゥス』 Pierre-Yves Beaudouin CC-BY-SA-3.0

1619年にベルニーニが制作したのは、このマットレス部分です。

彫刻自体はローマ時代に模刻されたもので、1608年にローマで発見されました。

同じポーズのものが他の美術館にも収蔵されています。

1608年にローマで発見されたこの彫刻のために、ボルケーゼ枢機卿はマットレスの制作をベルニーニに命じた。かくして紀元前2世紀(のローマンコピー)と17世紀の合作という珍しい彫刻作品が誕生した。煽情的な寝姿を見せるヘルマフロディトゥスは、実はアフロディーテの美しい息子。彼に恋するニンフに体を結合され、女性の体つきになったのだ。それが証拠に、ヘレニズム期らしい官能的な腰つきの向こうには、男性の象徴がしっかりと表現されている。

(『一生に一度は見たい ルーヴル美術館BEST100』 大友義博(監修) TJMOOK宝島社)
『眠れるヘルマフロディトゥス』 (『ボルケーゼのヘルマフロディトゥス』 Borghese Hermaphroditus ) ルーヴル美術館
『眠れるヘルマフロディトゥス』 ルーヴル美術館

引用元:ヘルマフロディトゥス Marie-Lan Nguyen

『眠れるヘルマフロディトゥス』 (『ボルケーゼのヘルマフロディトゥス』 Borghese Hermaphroditus ) ルーヴル美術館
『眠れるヘルマフロディトゥス』 ルーヴル美術館

引用元:ヘルマフロディトゥス Marie-Lan Nguyen

ヘルマフロディトゥス(ヘルマプロディトゥスとも表記)はヘルメスとアフロディーテの息子で、男女神の混合名です。

彼に恋したニンフのサルマキスに強姦され(合体し)てしまったために乳房と陰茎が付いています。

この彫刻のタイトルですが、『眠れるヘルマフロディトゥス』、別名『ボルケーゼのヘルマフロディトゥス』といいます。

この作品の近代史

1608年ローマのディオクレティアヌスの浴場付近にて発見されたこの彫刻は、17世紀から18世紀のボルゲーゼ・コレクションのなかでも最も感銘を与えた傑作のうちに数えられる。1619年スキピオーネ・ボルゲーゼ枢機卿は、バロック時代のイタリア人彫刻家ベルニーニに古代の彫像を寝かせるためのマットレスの制作を依頼した。同じ年にダヴィッド・ラリクは、ヘルマフロディトス自体の修復を手がけた。この作品は、1807年ナポレオンが彼の義理の兄弟に当たる、カミロ・ボルゲーゼ公から一連のボルゲーゼ・コレクションを購入した後、ルーヴル美術館に収集された。ルーヴル美術館のヘルマフロディトスは、最も有名であったが、他の3体の古代の複製彫刻がこの作品と比較される事もあった。ルーヴル美術館に保管してあるヴェッレトリのヘルマフロディトス、フィレンツェ、ウフィツィ美術館のもの、そして未だにローマのボルゲーゼのヴィラに保管してあるものがそれに当たる。

 (ルーヴル美術館の『眠れるヘルマフロディトゥス』の解説より)

彫刻家アントニオ・カノーヴァ(Antonio Canova, 1757年11月1日-1822年10月13日)

アントニオ・カノーヴァは新古典主義を代表するイタリアの彫刻家。 

ルーヴル美術館の『アムールとプシュケ』が有名です。

『勝利のヴィーナスとしてのパオリーナ・ボルケーゼ』 1804年-1808年 アントニオ・カノ―ヴァ ボルケーゼ美術館

『勝利のヴィーナスとしてのパオリーナ・ボルケーゼ』 1804年-1808年 アントニオ・カノ―ヴァ ボルケーゼ美術館蔵
『勝利のヴィーナスとしてのパオリーナ・ボルケーゼ』 1804年-1808年 アントニオ・カノ―ヴァ ボルケーゼ美術館蔵

引用元:『勝利のヴィーナスとしてのパオリーナ・ボルケーゼ』

パオリーナ・ボルケーゼ(Paolina Borghese, 1780年10月20日-1825年6月9日)

この作品のモデルは「パオリーナ・ボルケーゼ(Paolina Borghese)」と言いますが、結婚前の姓はボナパルト。

パオリーナはあの皇帝ナポレオン・ボナパルトの妹、ポーリーヌ・ボナパルト(Pauline Bonaparte)です。

パオリーナ・ボルケーゼの本名はポーリーヌ・ボナパルト

最初の夫の死後、ナポレオンは彼女を(『眠れるヘルマフロディトゥス』の項で名前が出てきた)カミッロ・ボルゲーゼ侯爵と結婚させますが、気が合わず別居します。

パオリーナは他の男性と浮名を流し、夫妻の間に子供はいませんでした。

パオリーナは兄のナポレオンとは仲が良かったそうですが、

妹の奔放なふるまいに兄は何度も頭を悩まされている。その奔放さを証明するかのように、パオリーナは自信たっぷりに自らヌード・モデルをつとめている。

(『官能美術史 ヌードが語る名画の謎』 池上英洋(著) 筑摩書房 P49)

『西洋美術入門 絵画の見かた』(新星出版社 P34)でも小さいですが、掲載されています。

リアルな背面もどうぞ。

『勝利のヴィーナスとしてのパオリーナ・ボルケーゼ』 1804年-1808年 アントニオ・カノ―ヴァ ボルケーゼ美術館蔵
『勝利のヴィーナスとしてのパオリーナ・ボルケーゼ』 アントニオ・カノ―ヴァ

引用元:パオリーナ・ボルケーゼ(背面) Sailko CC-BY-3.0

パオリーナは彫刻としてボルケーゼ・コレクションに残り、『眠れるヘルマフロディトゥス』はフランスに渡ったのですね。

ボルケーゼ美術館のコレクションはどれも素晴らしいものばかりですが、収蔵品だけでなく、美術にはあまり詳しくないという方でもどれかしら見たことがお有りなのではないでしょうか。

また、なかには私と同じ様に、「あれ、キリスト教の、カトリックの聖職者なのに、ずいぶん色っぽいものを好んで集めたな」と思われた方もいらっしゃるのではないかと思います。

「しかも、古代ギリシアや古代ローマの神々って。異教じゃん」と。

シピオーネ・ボルケーゼ枢機卿が築いたコレクションについて、

シピオーネが好んで集め、また制作させた美術品の多くは官能的なもので、聖職者の実でありながら、彼は古代のポルノグラフィの一大コレクションまで所蔵していたこともわかっている。

 しかし、考えてみれば、教皇庁がキリスト教のもっとも大きなものだというような、われわれの概念が間違っている。ルネサンスの時代の教皇は、イタリア中部に広大な領土をもつ一国の王であるのと同時に、宗教的にはヨーロッパ中を支配する帝王であった。したがって、教皇庁は王の宮殿だったのである。王である教皇を選出する資格をもつ枢機卿とは、古代ローマ帝国にたとえれば元老院議員のようなものであったと考えていいのだろう。聖職者である前に権力者であり、一握りの超富裕階級であった。職務としての聖職さえ果たしていれば、個人としては異教的な詩をつくろうが好色だろうが一向にかまわなかったのである。

(『NHK世界の美術館紀行 3』 P114)

この後、「ヴァチカン宮殿は、王としての教皇の宮殿」という言葉が出てきます。

寺院や教会には神の愛に溢れた宗教画。しかし、個人の邸宅では古代ギリシア神話や古代ローマ神話に登場する神々の絵や彫刻を、自由に愛したのです。

ヨーロッパ人の根底には常に古代ギリシアやローマに対する思慕がある、と私などは思っていますが、いかがでしょうか。

主な参考文献
  • 『ローマ教皇歴代誌』 P.G.マックスウェル-スチュアート(著) 高橋正男(監修)
  • 『NHK世界の美術館紀行 3』 NHK「世界美術館紀行」取材班編 NHK出版
  • 『名画の謎を解き明かすアトリビュート図鑑』 平松洋(著) KADOKAWA
  • 『【名画】絶世の美女 魔性』 平松洋(著) 新人物往来社
  • 『ルネッサンスの光と闇(下) 芸術と精神風土』 高階秀爾(著) 中公文庫
  • 『誘う絵』 平松洋(著) ビジュアルだいわ文庫
  • 『ギリシア神話の名画はなぜこんなに面白いのか』 井出洋一郎(著) 中経の文庫
  • 『性愛の西洋美術史』 海野弘・平松洋(監修) 洋泉社
  • 『知識ゼロからの西洋絵画 困った巨匠たち対決』 山田五郎(著) 幻冬舎
  • 『西洋美術史入門』 池上英洋(著) ちくまプリマ―新書
  • 『官能美術史 ヌードが語る名画の謎』 池上英洋(著) 筑摩書房
  • 『一生に一度は見たい ルーヴル美術館BEST100』 大友義博(監修) TJMOOK宝島社
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コメント

コメント一覧 (29件)

  • ハンナさ~ん、こんばんは(^^♪
    今、試みたのですが、「脱いだ」「ヌード」この程度の言葉では最近はログインできる模様であります<(_ _*)> 
    チャレンジ失敗!取り合えず報告でした(笑)
    お返事不要で大丈夫ですよ(*´▽`*)

  • 佐馬鷹 (id:coatsofarms)様
    お代官様…いえ、枢機卿様の凄さが分かっていただけたようですね(ふふん( ̄ー ̄)ニヤリ)
    権力とお金をいっぱい…いえ、素敵な伯父様と素晴らしい審美眼をお持ちでしょ?ルターなんか目じゃないなってこないだ言ってましたよ?頼もしい。
    ほんとに、あの大理石って豆腐で出来てるようにしか見えませんよね、なんて言ってる私とはエライ違いです。
    そして、仰るように、私が彼の弟子だったら半日もたずにクビでしょう。「あっ」「ぽきっ」「ああっ」という幻聴がどこからともなく聞こえますね。
    やっぱヴァチカンの偉いひとって言ったら、ボルジアのお父さんかな。またご登場いただきたいと思っています。そちもワルよのう(・∀・)

  • love-petit-four (id:korekara-watashi)様
    今回も読んでくださって有難うございます。
    私も観る時は、ただ「いいなあ~」「なんでこんなの描けるんだろ~」しか思ってません(笑)。
    でも前に、後になって来歴や意味を知って、「え~っ!ちゃんと知って観に行くべきだったあ(@_@;)やっちまったあ~(ノД`)・゜・。知らずに見てたあ~!○×△G△×2~!!」となったことがありました。
    芸術品も好きだけど歴史も好きさ、シンクロするともっと面白いぜ!という思いで始めた備忘録ブログです。
    私が面白いと思うこと、覚えておきたいものを「へ~」と面白がっていただくことが嬉しいです。
    そぉそぉ、一角獣は乙女にしか懐かないので、処女判定をするときに使われたりします。
    この絵の女性はアレクサンデル6世の愛妾なので処女ではありませんが、「精神性は高く、無垢」だよ、と言いたいのかなと思います。
    またお付き合いくだされば嬉しいです。
    有難うございました。

  • パンダくん (id:ponponpanda8787)様
    返信おそくなって申し訳ありません。
    今回も読んでくださって有難うございました。
    大理石がやわらかそうで、驚きますよねー(≧▽≦)
    ロダンもいいと思いますが、この、たなびき、しなる大理石の彫刻もぜひ若者に見て欲しい!!(でも、お題がね…ちょっとね(-_-;))
    絵画も彫刻も超名品揃いです。シピオーネの審美眼の素晴らしさだけは、取りあえずホメておこうと思いました(上から💦)。
    またお付き合いくださいませ。
    よろしくお願い致します。
    有難うございました。

  • いやあ、目の保養になりまし、
    じゃなかった、げふんげふん。
    すさまじい豪華さですな。
    どんだけ大理石を磨いたら、こんな質感が出るのやら。
    私が弟子とかで手伝ったら、割るかキズが入るか、考えただけでゾッとします。
    ひたすら贅を尽くす教会のお偉方たち。
    キリストやアッシジの聖フランシスコが見たら卒倒するレベルですよ。
    そりゃルターがツッコミを入れるわけです。
    まぁ、そのおかげで私めも目の保養、じゃなかった刺激を得られるのですが。
    というわけで、と言いましょうか。
    今後ともカトリック教会や教皇庁にはどうぞ遠慮なく。
    ガンガンやっちゃってください。
    楽しみにしております😌

  • ことぶ㐂(ことぶき) (id:lunarcarrier)様
    ボルケーゼ美術館のコレクションは素晴らしいです。その元を築き上げたのが、お代官様風超お金持ちな聖職者。作品を強奪するわ、巻き上げるわ、やりたい放題ですよね。清い聖職者のイメージと真逆です。
    もう時効なんでしょうかね…。
    今回も読んでくださって有難うございました(≧◇≦)。

  • まーたる (id:ma-taru)様
    今回も読んでくださって有難うございます。嬉しいです(≧▽≦)。
    そうですよね、この大理石ってやわらかいんだよね?と半分本気で思ってましたもん(笑)。
    お題は現代から見るととんでもないものだと思うのですが、仕方ない、一回それは置いときまして、この超絶技巧を愛でたいと思います。腿や腹に食い込む指、踏ん張る筋肉…全てが素晴らしい。
    室内装飾や建築物もありますが、とても紹介し切れませんでした。残念です。
    今回目次だけでもえらく長いものになってしまい、自分でもびっくりでしたが、お付き合いいただき、有難うございました(≧◇≦)。

  • ko-todo (id:ko-todo)様
    そうですね、とても長い時間石と語り合ったのでしょうね。天才には不可能は無いなどと頭から思ってしまいましたが、よく石を観察し、自分が今まで研究してきたものを表現したのでしょうね。
    私なんか、「枢機卿、いいなー。羨ましいなー。やっぱカネかなー」くらいしか思いつきませんでした。スミマセン💦
    メリッサの横にいる犬、私もオッサンくさいと思ってました(笑)。キルケだと動物が「従順」ぽく見えるんですよね。この犬の場合、目がね(笑)(^o^)
    私はただ「本にこう書かれてます」とご紹介することしか出来ませんのですよ(/ω\)。ぜひまたko-todoさんの鋭い感想をお伺いしたいです(^^)
    またよろしくお願い致します。
    有難うございました。

  • どんぐり (id:saki-compass)様
    ご親切なお言葉を有難うございます
    ほんとに何が何処に書いてあるのか覚えておくために書いているのですが(自分の記憶力は絶対に信用できない)、そんなふうに言っていただけるのはただただ光栄です(≧◇≦)
    この大理石、実際はやわらかいんじゃね?との錯覚から入ったベルニーニです。ルイ14世の胸像の衣裳なんて風になびいてますけど?みたいな。
    私ではその魅力のすべてをお伝えすることが出来ないのですが、少しでも一緒に楽しんでいただけたなら良かったです。
    またぜひよろしくお願い致します。
    有難うございました。

  • 私は何にも分からないのですが、彫刻でも絵画でも説明があると深い所まで分かって面白いですね!
    凄い知識でびっくりです‼️
    一角獣が処女には懐つく!と言われていた事にもびっくりでした‼️

  • ハンナさん、今回も美しいもの、ドキドキするものをたくさんありがとうございます。絵も素晴らしいのですが、今回は彫刻!!すごいですね!(◎_◎;)
    私にとって彫刻は「考える人」と美術のデッサンで「ハイ、この彫刻を描いて」での出会い。貧弱ですね〜( ̄▽ ̄;)今回の彫刻は、柔らかさやしなやかさに芸術の素晴らしさを見せていただきました。素晴らしいヽ(´▽`)/
    それにしても芸術作品にはいろんな出来事が絡んでいるんですね。解釈もなるほど〜って思います。
    梅雨入りしてスッキリしない気候ですが、良い週末をお送りくださいね(*´꒳`*)♡

  • 教皇も枢機卿も聖職者なのに悪代官みたいだなと思ったら、それが当たり前の世の中だったんですね。
    「プロセルピナの略奪」この目で直接見てみたいです。

  • こんばんは(o^^o)
    大理石があんなに弾力のある彫刻になるなんて、すごくびっくりです❗️(´⊙ω⊙`)
    指が食い込むところの微妙な影とか、本当に石❓と疑ってしまうくらい繊細な造りなのですね(*☻-☻*)
    髪の家の細かな動きも素晴らしい〜(*´∇`*)
    ベルニーニの素晴らしい才能に脱帽です❗️
    ハンナさんの記事はすごく読み応えがあり、勉強になります(*´꒳`*)
    今回もありがとうございますヽ(*^ω^*)ノ

  • 大理石とは思えないほど、柔らかく繊細な彫刻ですね。
    石目を見極め、丁寧に丁寧に…
    どれだけ石と語り合ったのだろう…。
    枢機卿という立場で、これ程の栄華を極めるってどうよ?という事は置いておいて…。
    素晴らしいコレクションですね。
    「メリッサ」に描かれている犬が、オッサンくさいと思ったら…。
    魔女だったのですね。
    せっかく、詳しくご説明下さっているのに、芸術の知識が無くて、こんなコメントでごめんね;;

  • ハンナ(id:hanna_and_art)さん!
    先程は大変失礼いたしまし本当にごめんなさい💦
    今回も大作でいらして!とっても勉強させていただきました(*´꒳`*)
    ベルニーニのたなびく大理石、くい込む柔らかい大理石、見事ですね!マットレスも!
    絵画や像には緻密な意味が込められていたり隠されていたりして、分かると面白いですね。
    ハンナさんのお手引きのお陰で楽しく拝見しています♪♬この質量ただただ敬服するばかりです✨

  • 石山藤子 (id:genjienjoy)様
    コメント有難うございます(≧◇≦)。
    そうそう!ラオコーンの蛇、あれも超絶技巧ですよね!私なんか作ってる時絶対折っちゃいますもん「ぽきっ」て。数本。いや、まず、どうしたらそんなもの彫ろうなんて思うんでしょう(そこから?)
    古代エジプトからローマやギリシアをすっ飛ばしてバロックに来てしまいました(;’∀’)東洋ものも含めてなかなか手が回りません。
    どうかまたお付き合いください。よろしくお願いします
    有難うございました。

  • だるころ9216 (id:darucoro9216kun)様
    ほんとに丁寧に見てくださって有難うございました。
    どれもとても有名な作品で私ごときが語れるようなものでもありませんが、せめて「一瞬行った気になる」シリーズに挙げてしまいました。
    カラヴァッジオやルーベンス、ティツイアーノ、他にも収蔵されている作品があるのですが、キリがないので今回はここまでです(-_-;)。
    ユピテルの、ユーノーのご機嫌を取るような表情、妻ユーノーの満足気な表情が個人的には気になりますね(笑)。浮気夫に「勝った!」とでも思っているのでしょうか。いや、夫婦円満何よりです。
    ベルニーニの『聖テレサの法悦』も衝撃的でしたが、『プロセルピナの略奪』『アポロンとダフネ』の作者と知ってもっとびっくり。絵も上手くて「天才だ!!」と思いましたが、ローマ市内の建築物も彼の作品だと知ってもう「…すご過ぎる」でした。
    筋肉のリアルさ、やっぱりそうなんですね。緊張状態にある筋肉の強張り方・踏ん張り方、とてもリアルですもんね。
    『バッカス』は飲み過ぎじゃね?です(笑)。ある意味本望?ちょっと羨ましいかも(笑)。
    今回も読んでくださって有難うございました

  • ハンナさん、こんにちは(^-^)/
    彫刻ってすごいですよね。
    私が特に驚いたのは、古代ギリシャのラオコーンの彫刻です。
    ひとつの石から、よくこんなものを創造したものだと感心しました。
    特にヘビ!あれだけうねるヘビを折らないように彫ったのがスゴいです。

  • 蝶々 (id:miko1221)様
    コメント有難うございます(≧▽≦)。
    おひとりで、ってそんなに見たかったもの、30分もその場にいられたものが何なのか知りたいですね!(お弁当とか、レイアウトがお上手な原因がわかりました。)
    あつ森にも出て来るんですか(;’∀’)なんか恐るべし、あつ森ですね。
    教会や噴水、聖堂、宮殿は持って来られませんが、来日する作品は何とか観に行けます。いつか息子様が強力なパートナーとなられることを望みます。
    私の母は幼稚園を休ませて私を美術館に連れて行き、「いいでしょ?素敵だね!」と言っていました(笑)。園長先生も理解がある方で、そういう教育を快く許してくださっていました。
    勉強系にその効果が表れなかったのが残念ですが(-ω-)
    今回も読んでくださって有難うございました。

  • 絵画に詳しくないので、読むのに時間が掛かりました。良く見ると、いろいろな事が一枚の絵に描きこまれてるんですね。「聖愛と俗愛」は光と闇(開放と閉鎖みたいな感じですね)
    OPENな部分は背景が空でCLOSEな部分は山と建物…対比が面白いですね。
    「キューピッドに目隠しをするヴィーナス」もLOVE IS BLINDなんて言いますもんね。目隠しをしても恋は見える(隠せない恋)なんて分かりやすくていいですね。
    「ユピテルとユーノー」もタダでは恋に落ちないヘラがユピテルよりも上段に描かれてるのも良い感じです。
    稲妻をキューピッドに盗ませたって事は、電撃的な恋じゃないって証なのかも知れませんね。
    「病めるバッカス」ブドウの力で早く回復して欲しい。お酒の神ですよね?
    ベルニーニの彫刻は、筋肉の表現が上手い!!特に脚の筋肉が綺麗に作られてる。大腿四頭筋の直筋から外側広筋など解剖学を知らないと作れないですね。「ダヴィデ」の右足は下腿の腓骨筋なんてリアルに作られてる。さすが天才と言われるだけの事は有りますね。一つ一つ丁寧に観察しちゃいましたぁ~。楽しい時間をありがとうございます。

  • 彫刻って見惚れてしまいますよね💕
    学生のときになかなか美術館に付き合ってくれるお友達がいなくて、一人で行ったときに彫刻の前で30分ぐらい眺めていました😆
    息子もあつ森のゲームで彫刻を知り、少しだけ興味が出てきています🤭
    さすが親子ですね😍
    一緒に美術館に行ってくれたら嬉しいなぁ💕

  • まどろみ (id:madoromi-life)様
    貴重なお時間にコメント有難うございます。
    あ、お伝えしたかったことがありまして。
    他の方のブログでのフクロウとミネルヴァの話題、私も参加したかったですが、本人の電池切れで今になってしまいました。
    私もミネルヴァ好きです。やっぱね、自分に足りないものを求めるというかね…。勿論、美が有り余っているわけじゃありませんが、私の優先順位は「智」「知」に行きますねえ。美はある程度作れる(ごまかせる、化粧や整形でなんとかなる)けれど、人間の底の浅さってすーぐばれちゃいますから(笑)。
    昔欧州のクリスマス市でフクロウの木彫りのキーホルダーを買ってきて、もう金具も取れてしまいましたが、大事に持っています。私にとってフクロウはお守りのようなものです。
    共通項を知ることが出来、嬉しかったです。
    記事も読んでくださって有難うございました

  • ハンナさん、こんにちは(^^♪
    ベルニーニと言ったら、彫刻、絵画、壮大なモニュメント、本当に多才。
    まるでバロック芸術のために生まれた申し子。
    素晴らしいという一言では言い表せない魅力を存分にご紹介されてて、
    今回も見応えがあり、とても豊かな気持ちになる内容でした。
    有難うございます♬~☆

  • 森下礼 (id:iirei)様
    ご訪問有難うございます。
    ヘルマフロディトゥスの名があった為勝手に掲載させていただきました(;’∀’)。
    昔、旧ブログで『植物学の楽しみ』という書籍の、両性花の項を書き留めておいたのですが、今回森下様の記事を思い出しまして。
    『聖テレサの法悦』の恍惚の表情にはひとそれぞれ思うところ、惹かれるところがあるかと思います。専門家でもない私には天才の真意を推し量ることなど出来ませんので、解説に「神と出会い、」という一言が無ければ、それはもう性的絶頂の瞬間であるとしか思えませんでした。今でも、相変わらず見方が浅い(*_*)と勉強不足を感じています。
    『聖テレサの法悦』は外国の切手にもなっていますが、日本の紙幣はそうですね。少し偏っていると思います。
    昔欧州に出掛けていた時は各国の個性が出る紙幣のデザインも楽しみ(『星の王子様』とか、ドラクロワとか)でした。
    我が国もいっそ若冲とか雪舟とか北斎とか大観とか、大御所をばんばん、と思いましたが、多くの有名作品は海外にありますしね…。学問奨励の意味も込めて、各界から満遍なく選んで欲しいと思っています。
    今回も読んでくださって有難うございました。

  • id:kagenogori様
    あまりに軟らかそうで、軽やかで、「これは大理石大理石…」と思っていないと忘れてしまいそうですよね。
    ベルニーニの作品、絵画・彫刻・建築と多過ぎて、どれを取り上げるか迷いました。今回は「ボルケーゼ美術館」特集でしたのでここでやめましたが、次はベルニーニ特集で他のものもやりたいと思います。
    見て下さって本当に有難うございました

  • schun (id:schunchi2007)様
    今回も読んでくださって有難うございます
    さすが、衣裳、しっかり見ていらっしゃいますね!ベルニーニの大理石捌き(?)、素晴らしいですよね。カラヴァッジオも、『聖テレサの法悦』も、題名はわからなくても超有名、ファンが多いと思います。その奥深さには到達できなくても、私も大好きです(^^)
    今日も付き合ってくださって有難うございました。

  • 紹介ありがとうございます。光栄です。
    今回貴ブログの最大の眼目はベルニーニでしたが、さすがにルネサンス期のイタリア美術に疎い私も、この人の名前は知っていました。私もwikipediaで彼を引いてみたところ、
    ジャン・ロレンツォ・ベルニーニ(Gian Lorenzo Bernini, 1598年12月7日 – 1680年11月28日[1])は、バロックの時期を代表するイタリアの彫刻家、建築家、画家。
    「ベルニーニはローマのために生まれ、ローマはベルニーニのためにつくられた」と賞賛されたバロック芸術の巨匠である。古代遺跡が残る古き都ローマは彼の手によって、壮大なスケール、絢爛豪華な装飾にあふれる美の都に変貌していった。人々は彼の作品を「芸術の奇跡」と絶賛した。
    1984年から1999年まで発行された50000イタリア・リレ(リラの複数形)紙幣の裏面に肖像が採用されていた。・・・
    「アポロンとダフネ」、「聖テレサの法悦」など、見たことがあります。とくに後者(エクスタシー)は、いわゆるオーガスムスと区別がつかなくて、中学生のころこの彫刻を目にした私は、なにやら性的な興奮を味わったものです。
    それにしても、一国を象徴する紙幣の顔をだれにするかはある意味、重要ですが、日本の場合、美術家を採用したことはなく、近い将来「渋沢栄一」という実業家が最高額紙幣の顔になるというあたり、彼が胡散臭い人であることも考え合わせると、日本はダメだな、と感じます。ちなみに、ノルウェイでは、天才数学者のアーベルが紙幣の顔に取り上げられていたこともあり、科学者というと、医学者に限定される日本ともまた違っていて、日本政府の人選は偏っているなと思うのです。

  • ベルニーニの作品、すごいですね!!
    硬い大理石でできているようには見えませんね( ゚Д゚)
    しばらく見入ってしまいました。

  • おはようございます!!
    彫刻でもあんなに繊細な服の模様って出せるってすごいですね!!
    朝からびっくりしました(笑)。
    カバラッジョ、ベルニーニは実は好きな作家さんでして(笑)。
    聖テレサの法悦くらいしか知らないんですけどね(笑)。
    それにしても、カバラッジョ、鏡で自身をモデルにしていたとは知りませんでした。
    またまた朝からお勉強になりました!!
    ありがとうございました!!

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